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2011 Fiscal Year Research-status Report

親電子的反応性をもつ活性二酸化炭素種の調製と炭素-炭素不飽和結合への固定化

Research Project

Project/Area Number 23550115
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

服部 徹太郎  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70241536)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords二酸化炭素 / 小分子活性化 / カルボキシル化
Research Abstract

本研究の目的は,AlX3/R3SiXにより活性化されたCO2の安定性や反応性を調べ,カルボキシル化の基質適用性の拡大を図ること,また,CO2を活性化する新たな方法を開発することであり,本年度は下記の成果を得た。1.活性CO2種の安定性の評価 AlX3/R3SiXによるCO2の活性化の条件を,溶媒,R3SiXの種類,CO2圧,反応温度などについて最適化し,生成する活性種の窒素雰囲気下での安定性を,窒素雰囲気下でメシチレンにより活性種を捕捉し,得られるカルボン酸の生成量から見積った。その結果,活性種は,室温,窒素雰囲気下でも比較的安定だが,溶媒に溶解しているCO2の濃度が減少するにつれて分解することがわかった。これは,活性種の生成が平衡反応であることを示している。また,一気圧のCO2雰囲気下では安定性は向上した。これらの結果から,活性種の「調製段階」と「固定化段階」を分離できることがわかった。2.非強酸性条件下での活性CO2種の発生法の開発 AlX3/R3SiXによるCO2の活性化には強いLewis酸が必要であり,このことが基質適用性を狭めている。この活性化反応では,反応系中でAlX3とR3SiXからシリルカチオンが生じ,CO2と反応していると考えられる。そこでシリルカチオンを別の方法で発生させてCO2を活性化する試みとして,CO2加圧下にPh3CB(C6F5)4とR3SiHを反応させたところ,CO2を活性化できることがわかった。シリルカチオンR3SiB(C6F5)4を予め調製すると活性化の効率は向上し,メシチレンをR3SiB(C6F5)4基準で定量的にカルボキシル化できた。また,この反応は,かさ高いピリジン系塩基の存在下にも進行することを見出し,塩基性条件下でCO2を活性化し,有機化合物に固定化することに世界で初めて成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

R3SiB(C6F5)4を用いる反応については,計画通りに研究が進んでいる。AlX3/R3SiXを用いる反応については,窒素雰囲気下での安定性は評価できたが,溶液の酸性度の影響や,活性種の単離やIRによる分析はできなかった。これは,当初は予想できなかった震災による研究協力者(学生)の就職活動の長期化やメンタリティーへの影響によるものである。しかし,R3SiB(C6F5)4を用いる反応の結果から活性種の構造に関する知見が得られたので,今後の研究には支障はない。

Strategy for Future Research Activity

3.AlX3/R3SiXで活性化されたCO2種に与える酸性度の影響の調査と基質適用性の拡大に関する検討 本年度の研究で活性CO2種が,窒素雰囲気下でもある程度安定なことがわかったので,さらに,酸性度の影響を調査し,AlX3とは共存できない化合物,例えば,フェノールやチオフェノールのアルキルエーテルなどの電子供与性置換基をもつ芳香族化合物,エナミン,エノールエーテル,チオエノールエーテル,ケテンアセタール,チオケテンアセタール,共役ジエンなどのオレフィン類のカルボキシル化を検討する。4.R3SiB(C6F5)4で活性化されたCO2種によるカルボキシル化の基質適用性の検討 R3SiB(C6F5)4で活性化されたCO2種によるカルボキシル化について,芳香族炭化水素,ヘテロ芳香族化合物などへの適用性を調べる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度への繰越金378,021円のうち,351,453円はすでに3月に使用し,支払手続き中であり,実質的な繰越金は26,568円である。これは,「現在までの達成度」に示した理由により生じたものであり,次年度の予算と合わせて試薬の購入代に充てる。具体的には,オートクレーブ補修部品の購入および基質の合成やカルボキシル化のための薬品・溶剤・クロマト用ゲルの購入に1,126,568円,成果発表および資料収集のための旅費に200,000円を充てる予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 2011 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Direct Carboxylation of Thiophenes and Benzothiophenes with the Aid of EtAlCl22012

    • Author(s)
      Koji Nemoto, Satoru Onozawa, Megumi Konno, Naoya Morohashi, and Tetsutaro Hattori
    • Journal Title

      Bull. Chem. Soc. Jpn.

      Volume: 85 Pages: 369-371

    • DOI

      10.1246/bcsj.20110335

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] AlX3/R3SiXまたはRnAlX3-nを用いる二酸化炭素による芳香族化合物の直接カルボキシル化2012

    • Author(s)
      今野 惠,根本耕司,服部徹太郎
    • Journal Title

      ケミカルエンジニアリング

      Volume: 57 Pages: 208-213

  • [Presentation] Me2AlCl-Mediated ethoxycarboxylation of indoles and pyrroles with ethyl chloroformate2011

    • Author(s)
      Megumi Konno, Satoru Onozawa, Koji Nemoto, Naoya Morohashi, and Tetsutaro Hattori
    • Organizer
      6th Taiwan-Japan and 1st Asia International Symposium on Chemical-Environmental-Biomedical Technology
    • Place of Presentation
      Hsinchu, Taiwan
    • Year and Date
      September, 4-7, 2011
  • [Presentation] Ph3SiCl/AlBr3によるCO2の活性化と固定化

    • Author(s)
      今野惠,根本耕司,諸橋直弥,服部徹太郎
    • Organizer
      化学系学協会東北大会
    • Place of Presentation
      仙台
    • Year and Date
      H23.9.17-18

URL: 

Published: 2013-07-10  

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