2013 Fiscal Year Annual Research Report
親電子的反応性をもつ活性二酸化炭素種の調製と炭素-炭素不飽和結合への固定化
Project/Area Number |
23550115
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 徹太郎 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70241536)
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Keywords | 二酸化炭素 / 活性化 / カルボキシル化 / ヒドロカルボキシル化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,AlX3/R3SiXにより活性化されたCO2の安定性や反応性を調べ,カルボキシル化の基質適用性の拡大を図ること,また,CO2の活性化と固定化の新たな方法を開発することである。本年度は,昨年度の実績報告書の「今後の研究の推進方策」に記載した5,6について検討し,下記の結果を得た。 5.R3SiB(C6F5)4で活性化されたCO2種によるオレフィン類のカルボキシル化 ヒドロシラン類R'3SiHの存在下に,R3SiB(C6F5)4で活性化されたCO2種をオレフィン類と反応させると,ヒドロカルボキシル化が進行することを見出した。基質適用性を調べたところ,1,1-ジフェニルエチレン骨格をもつ化合物で中程度から良い収率でカルボン酸が得られることがわかった。また,この反応は,Lewis酸として,AlCl3やEtAlCl2を用いても進行することを見出した。この際,クロロシラン類R'3SiClを加えると収率が向上することから,CO2の活性化を経る機構が強く示唆されるが,アルミニウムによるオレフィンのメタル化も並発していることが確かめられた。 6.R3SiB(C6F5)4によるCO2活性化法の他の親電子的反応への展開 向山反応や櫻井-細見反応など種々の反応を検討したところ,1,1-ジフェニルエチレン類に比べてより酸に対して敏感な1,1-ジフェニルアレン類のタンデムカルボキシル化-環化反応が塩基性条件下に進行することを見出した。また,ビニルシラン類の置換型カルボキシル化がAlCl3を用いると進行することを見出した。
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