2012 Fiscal Year Research-status Report
水溶性イリジウム触媒を用いアンモニア水を窒素源とする環境調和型有機合成反応の開発
Project/Area Number |
23550121
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 健一 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (80293843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 良平 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 名誉教授 (40115960)
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Keywords | イリジウム触媒 / 水溶性触媒 / アンモニア / アミン / アルコール / 水素移動反応 / 触媒回収 |
Research Abstract |
本研究者はこれまでに、アンモニア分子を配位子として有する水に易溶なカチオン性Cp*イリジウム錯体触媒を合成し、アンモニア水とアルコール類とのN-アルキル化反応によるアミン合成触媒系を開発してきた。本研究課題は、安価で取り扱いの容易なアンモニア水を窒素源として活用し、無害な水を溶媒とする触媒反応によって、有機アミン類をはじめとする合成的価値の高い含窒素有機化合物を高原子効率・環境調和型で与える新しい触媒系を構築することを目的として遂行している。 本年度は、アンモニア水とアルコール類とのN-アルキル化反応によって、合成化学的価値のより高い第一級アミンを得る触媒系の開発に取り組んだ。その結果、アンモニア分子を配位子として有する水溶性Cp*イリジウム錯体触媒の存在下、過剰量のアンモニア水と各種第二級アルコールとの反応により、第一級アミンが高収率で得られることを明らかにした。さらに、アンモニア水とベンジルアルコール類をはじめとする各種第一級アルコールとの反応によって、対応する第一級アミンを中程度から良好な収率で得ることにも成功した。本触媒系において使用できるアルコール原料の適用範囲の拡大について現在検討しており、次年度も引き続き調査する予定である。 また、イミン類の触媒的脱水素化反応によってニトリル誘導体を得る新しい触媒系の開発に取り組んでおり、最適の錯体触媒と反応条件の探索を行っているところである。 このほか、触媒反応実施後の混合物に有機溶媒を加えて有機相と水相を相分離させることによって、目的生成物のアミン類を有機相に、錯体触媒を水相に回収する手法を開発した。この触媒回収法をアンモニア水とシクロヘキサノールとの反応によるシクロヘキシルアミン合成において活用したところ、錯体触媒の回収再利用が5回程度まで可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の当初の実施計画は、(1) アンモニア水と各種アルコールとの反応による第一級アミン合成、(2) アミンの脱水素化によるニトリル合成であった。このうち、(1)については、当初の計画どおり順調に進展した。また、(2)については詳細を現在調査中である。これらに加え、錯体触媒の回収再利用法の開発について大きな進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も当初の研究実施計画にしたがって遂行していくが、特に下記の項目を重点的に検討する。(1) アンモニア水とアルコール類との反応による第一級アミン合成、(2) アンモニア水を活用するニトリルやアミド合成、(3) 錯体触媒の分離回収および再利用法の確立。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、わずかな残余額(310円)が生じたものの、ほぼ予定額どおり使用した。また、平成25年度に交付を受ける経費については、当初の計画どおりに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)