2013 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性イリジウム触媒を用いアンモニア水を窒素源とする環境調和型有機合成反応の開発
Project/Area Number |
23550121
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 健一 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (80293843)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 良平 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 名誉教授 (40115960)
|
Keywords | イリジウム触媒 / 水溶性触媒 / アンモニア / アミン / 含窒素複素環 / アルコール / 水素移動反応 / 脱水素化反応 |
Research Abstract |
本研究課題は、安価で取り扱いの容易なアンモニア水を窒素源として活用し、無害な水を溶媒とする触媒反応によって、有機アミン類をはじめとする合成的価値の高い含窒素有機化合物を高原子効率・環境調和型で与える新しい触媒系を構築することを目的として遂行した。この目的を達成するため、「高活性水溶性イリジウム錯体触媒の設計・合成」、「アンモニア水を窒素源に用いる含窒素有機化合物合成」、「水溶性イリジウム錯体触媒回収法の開発」に取り組んだ。 平成23年度は、機能性N,N-キレート配位子を導入した新規イリジウム錯体の合成に成功し、本錯体がN-アルキル化反応における素反応として重要なアルコールの脱水素的酸化反応に極めて高い触媒活性を発現することを明らかにした。また、アンモニア水とジオール類との反応による含窒素複素環化合物の触媒的合成について検討し、アンモニア水と1-フェニル-1,5-ペンタンジオールとの反応により、2-フェニルピペリジンを良好な収率で得た。 平成24年度は、アンモニア水とアルコール類とのN-アルキル化反応によって、第一級アミンを得る触媒系の開発に成功した。また、触媒反応実施後の混合物に有機溶媒を加えて有機相と水相を相分離させることによって、目的生成物のアミン類を有機相に、錯体触媒を水相に回収する手法を開発した。 平成25年度は、アンモニア水とジオール類との反応によって含窒素複素環化合物を得る反応の適用範囲の拡大に取り組み、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、テトラヒドロイソキノリン等の、合成化学的に価値の高い化合物の触媒的合成に成功した。 このように、本研究課題の目的に合致した一連の成果を得た。
|
Research Products
(4 results)