2013 Fiscal Year Annual Research Report
水素自動移動プロセスに基づく革新的有機合成反応の開発
Project/Area Number |
23550122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 健之 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10262924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 大揚 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00324848)
朝野 芳織 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00311762)
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Keywords | 水素自動移動プロセス / カスケード反応 / 水素移動反応 / アルドール反応 / イリジウム / 非対称化反応 / タンデムカップリング / 触媒的不斉合成 |
Research Abstract |
本研究では水素移動反応と炭素-炭素結合生成反応の連携によるカスケード反応の開発を目指す。水素移動反応による酸化、還元、アルドール反応などの炭素-炭素結合生成反応は素反応として基本的かつ合成化学的に最重要な反応であり、それぞれの触媒サイクルをいかに制御しながら連携できるかが、本研究のポイントとなる。この技術は環境調和型反応として実用性にも優れ、キラルテクノロジーとしても魅力的である。すなわち、本研究により、数多くの不斉中心が一挙に構築されれば、触媒的不斉合成法の合成的有用性が大きく広がる。医薬品など有用化合物には多数の不斉中心を含むものも多く、本研究が目指す不斉合成法は将来の創薬研究に対しても有効な手法となる。このように、水素移動反応と炭素-炭素結合生成過程を含む不斉カスケード反応を開発できれば、学術的に興味がもたれるばかりでなく、合成化学的応用が広く期待できる。我々は既にキラルイリジウム錯体触媒を用いるジオールの非対称化反応を展開し、本触媒を用いるメソ第二級ジオールと芳香族アルデヒドとの不斉タンデムカップリング反応を開発した。インダンジオールとベンズアルデヒドのカップリング反応においても90%ee以上の高い不斉収率で反応が進行することを見出した。今回、本反応の中間体を補足すべく、React-IRを用いOnePot反応の動的挙動を追跡したところ、エノン中間体を観測することに成功した。さらにこの反応溶液に2-プロパノールを添加した結果、速やかにエノン中間体が消失し、還元体が生成することがわかった。
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Research Products
(2 results)