2013 Fiscal Year Annual Research Report
可視光駆動型ハイブリッド触媒の創製とエネルギー・物質変換
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23550125
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嶌越 恒 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00284539)
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Keywords | ビタミンB12 / 酸化チタン / 可視光応答 / 水素発生 / 脱塩素化反応 / アルケン還元 / コバルト錯体 / ヒドリド錯体 |
Research Abstract |
本研究では、可視光を駆動力とするエネルギーおよび物質変換触媒の開発を目的に、天然の金属酵素であるビタミンB12のモデル錯体と酸化チタンを複合化した、ハイブリッド触媒(第一世代)を合成した。さらに酸化チタンに可視光応答性を付与するために、1,2-エンジオール基を有するビタミンB12誘導体を合成し、酸化チタンとの間で界面錯体を形成させ、可視光に応答するビタミンB12-酸化チタン(第二世代)の合成に成功した。前者の第一世代のハイブリッド触媒においては、紫外線照射により酸化チタンが励起され、酸化チタンの伝導体からビタミンB12錯体への電子移動が起こり、ビタミンB12が触媒活性なCo(I)種を生成することを確認し、犠牲電子剤となるエチレンジアミン四酢酸存在下で光照射し続けることで、水素を生成させることに成功した。さらにアルケン共存下では、基質アルケンが還元された生成物が高い効率で生成することを見いだした。第二世代の界面錯体型ハイブリッド触媒においては、可視光照射することで同様にCo(I)種を生成させることに成功し、本性質を利用し、トリクロロメチルベンゼンやDDTなどの有機塩素化合物の脱塩素化反応や、ラジカル中間体を経由した有機合成反応に応用することに成功した。また最終年度には、本触媒の反応機構を明らかにするためにアクションスペクトルを作成し、本可視光応答型触媒が、界面錯形成に由来して出現する電荷移動吸収帯に基づく光吸収により作用することを確認した。またみかけの量子収率を求めたところ、約11%の収率で本光触媒反応が進行することが明らかとなった。以上本研究では、天然金属酵素の活性中心をモデル化した金属錯体と無機化合物である酸化チタンを複合化した触媒を作成し、可視光に応答して作用するクリーンな触媒システムの構築に成功した。
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Research Products
(12 results)