2011 Fiscal Year Research-status Report
有機高分子薄膜の活性反応界面のナノ構造と電荷偏析イメージング
Project/Area Number |
23550136
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 園 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40304745)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 有機高分子薄膜 / 界面トポグラフィー / 放射光GISWAXS法 / マイクロビームX線 / ナノ構造解析 |
Research Abstract |
本研究は、電子のプローブである放射光の高輝度X線を用いて、有機薄膜太陽電池の性能を左右する反応活性界面におけるナノ構造変化を可視化するための散乱実験法を構築し、電荷が偏析する界面トポグラフィーと光電変換特性との相関性を分子レベルで解明することを目的とする。平成23年度は、以下の事柄を実施した。(1) 有機高分子モデル薄膜試料の製膜と静的構造評価 本研究の予備実験として、現在高分子系太陽電池開発で注目されているフラーレン系高分子(アクセプター(A)分子)とポリアルキルチオフェン(ドナー(D)高分子)をブレンドした薄膜の静的構造を微小角入射小角・広角X線散乱(GISWAXS)測定により評価した。電流-電圧(I-V)特性評価で相対的に性能の良い薄膜と悪い薄膜のナノ構造を比較評価したところ、界面形状を反映する角度領域で散乱強度プロファイルに違いが見られることが明らかになった。(2) 放射光GISWAXSと電流-電圧(I-V)特性との同時計測システムの設計 放射光実験を行う前に実験室(ラボ)で試料の電流-電圧(I-V)特性評価を行う必要がある。そのため、試料周辺はヘリウム雰囲気下での実験室(ラボ)での測定を想定して設計し、試料台を製作した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示した通り、交付申請書で計画していた(1) 有機高分子モデル薄膜試料の製膜と静的構造評価(2) 放射光GISWAXSと電流-電圧(I-V)特性との同時計測システムの設計を実施することができたため、本研究はおおむね順調に進んでいると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
電変換反応過程における活性界面ナノ構造をその場で評価するために、放射光GISWAXS・電流-電圧(I-V)特性同時計測システムを構築する。・高分子系太陽電池薄膜のバルクヘテロジャンクション型相分離構造のA-D界面の構造評価・解析法を検討する。すでに(平成23年度に)その手始めとなる静的実験を実施しているが、今後はそれをさらに発展させて、様々な化学構造の側鎖や製膜方法を変えて製膜したフラーレン系高分子(アクセプター(A)分子)とポリアルキルチオフェン(ドナー(D)高分子)のブレンド薄膜のナノ構造をGISWAXS法により詳細に検討する。・光電エネルギー変換過程における有機(有機高分子)薄膜の結晶構造、ドメイン構造および界面構造をμビームGISWAXS計測で評価し、異種分子の接合領域である活性反応界面の構造変化をその場観察する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度へ持ち越した研究費(15,657円)は、平成23年3月29日~平成24年4月5日の米国出張における平成24年4月1日以降の旅費の一部として使用する。平成24年度の研究費(直接経費500,000円)は、試薬、電子・電気部品、金属加工部品、コンピュータ関係の消耗品、国内出張旅費、SPring-8消耗品に使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)