2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機高分子薄膜の活性反応界面のナノ構造と電荷偏析イメージング
Project/Area Number |
23550136
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 園 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (40304745)
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Keywords | 高分子系有機薄膜太陽電池材料 / 微小角入射X線散乱時間分解測定 / ポリ(3-ヘキシルチオフェン) / フラーレン誘導体 / 結晶化挙動 / 相分離挙動 |
Research Abstract |
高分子系有機薄膜太陽電池の研究開発で用いられているポリ(3-ヘキシルチオフェン):フラーレン誘導体(P3HT:FD)ブレンドのスピンコート成膜過程における薄膜結晶化/相分離挙動を放射光の高輝度X線を用いた微小角入射X線散乱(Grazing-Incidence X-ray Scattering: GIXS)時間分解測定で追跡した。P3HT:PCBM(1:1, w/w)ブレンドのクロロホルム溶液およびクロロベンゼン溶液を用いてシリコン基板上に成膜し、赤外線サーモカメラによる試料の熱画像測定を行うことにより、溶媒の蒸発挙動を間接的に評価した。その結果、蒸気圧の高いクロロホルム溶液を用いた方がP3HTの結晶化が速く、蒸気圧の低いクロロベンゼン溶液を用いた方が結晶の配向性が高いことが判った。P3HTの主鎖が基板に平行なedge-on型配向結晶が優先的に生成していたことから、遠心力により結晶化過程でP3HTの主鎖が動径方向に高配向したものと考えられる。また、ブレンドとP3HTホモポリマーの結晶化速度を比較した結果、ブレンドの方が大きいことが明らかになった。P3HTとPCBMの相分離がP3HTの結晶化を促進した可能性がある。放射光を利用したGIXSのその場測定で太陽電池の動作環境下での構造変化を評価するための試料周辺装置を整備したが、SPring-8で実験するまでには至っていないため、今後も継続して取り組む予定である。
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Research Products
(13 results)