2011 Fiscal Year Research-status Report
ビス(カルボニルアミノ)ピリジン構造を利用した大環状化合物の構築
Project/Area Number |
23550140
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
横山 明弘 成蹊大学, 理工学部, 教授 (50343637)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 大環状化合物 |
Research Abstract |
研究計画に基づき、平成23年度は大環状化合物を合成する際に必要なモノマーとして、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(TEG)基を側鎖として有するジアミノピリジン誘導体の合成を検討した。本年度は文献を参考にして、ビスカルボニルアジド体の Curtius 転位を利用した合成ルートを検討した。まず、触媒量の硫酸存在下で市販のケルダミ酸をエタノール中で加熱還流し、ジエチルエステル体に変換した。次に、テトラヒドロフラン中、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートとトリフェニルホスフィンおよび TEG-OH を用いた光延反応により、4位のヒドロキシル基に TEG ユニットを導入し、さらにエタノール中でヒドラジンを反応させてビスカルボニルヒドラジン体へと変換した。得られた化合物に対して塩酸中で亜硝酸ナトリウムと反応させてビスカルボニルアジド体への変換を検討したが、生成物の水溶性が高いために、反応液から目的物を単離することが非常に困難であった。そこで次に、無水条件下における反応を検討した。すなわち塩化水素存在下、エタノール中でビスカルボニルヒドラジン体に対して亜硝酸アミルを作用させてビスカルボニルアジド体へと変換し、後処理をせずにそのまま反応液を加熱還流して Curtius 転位を行った。その結果、低い収率ではあるが、目的とするビスカルバメート体を得ることが出来た。最後にエタノール中でビスカルバメート体に水酸化カリウムを作用させて加水分解を行い、目的とするモノマーへの変換を検討した。その結果、原料の消失は確認できたが、生成物の水溶性が非常に高いために、目的物を単離することが出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年4月より新しい研究機関(成蹊大学)に異動した。そのため、授業の準備や実験環境および設備等を整備するのに時間がかかり、研究が思うように進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
大環状化合物を合成する際のモノマーである、側鎖としてトリエチレングリコールモノメチルエーテル(TEG)基を有するジアミノピリジン誘導体の合成ルートを変更する。平成23年度はケルダミ酸のジエチルエステル体から種々の変換を行い、 Curtius 転位を利用した合成ルートを検討した。しかし、合成中間体であるビスカルボニルアジド体の合成が困難であり、また最終目的物であるモノマーも単離することが出来なかった。平成24年度はケルダミ酸のジアミド体を経由して Hofmann 転移を利用したモノマーの合成を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各種試薬や実験に必要な器具および装置などの購入、さらに研究成果の発表などに使用する予定である。
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Research Products
(4 results)