2014 Fiscal Year Annual Research Report
側鎖回転運動を利用した高イオン伝導性高分子固体電解質の創製
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23550143
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松本 幸三 近畿大学, 工学部, 准教授 (90273474)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ポリカルボシラン / 環状カーボナート / リチウムイオン / イオン伝導度 / 固体電解質 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度には、軸回転型の官能基として5員環環状カーボナート構造の置換基を導入したポリカルボシランを用いて、広範囲な濃度領域でリチウム塩の添加効果を再度詳細に検討を行った結果、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)の添加量を大幅に増加させた場合に予想以上に高いイオン伝導度を示すことが明らかとなった。特に5員環環状カーボナート基に対して1等量のLiTFSIを添加した場合には30℃で0.01mS/cmのイオン伝導度を示すことが明らかとなった。この結果は、該当するポリマーにさらに改良を加え得ると従来のポリエチレンオキサイド系の高分子固体電解質を超えるイオン伝導度を発揮する可能性を示す結果である。 本研究全般を通して、軸回転型の官能基としてコハク酸イミド構造の官能基を持つポリマー、イミダゾリウム構造を持つポリマー、ならびに5員環環状カーボナート構造の官能基を持つ種々のポリマーを合成し、得られたポリマーにリチウム塩を添加して固体電解質として特性評価、ならびに、リチウムイオンバッテリー用の電解液のゲル化によるゲル電解質としての特性を評価した。その結果、高リチウムイオン添加条件下で5員環環状カーボナート基を持つポリマーが特に高いイオン伝導度を示すことを見出すことができた。これは、5員環環状カーボナート基に極めて特徴的な現象であり、5員環環状カーボナート構造を導入したポリマーが高イオン伝導性高分子固体電解質として極めて有用であることを示唆する重要な結論であると考えられ、今後、新規な高分子固体電解質の開発を進めていく上で、重要かつ貴重な指針を与えることができたと考えている。
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Research Products
(4 results)