2013 Fiscal Year Annual Research Report
簡便なエポキシドのメタルフリーイモータル重合の開発とその機能性ポリマーの合成
Project/Area Number |
23550144
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
森長 久豊 高知工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (20396584)
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Keywords | 高分子合成化学 / イモータル重合 / 開環重合 / エポキシド / メタルフリー |
Research Abstract |
25年度では、本系がメタルフリーイモータル重合系であることを活かして、機能性ポリマーの合成を試みた。すなわち、様々な反応性基を末端に有するポリマーや、多分岐ポリマーを簡便に合成することを目的とした。 様々な反応性基を末端に有するポリマーの合成では、反応性基を持つプロトン性化合物を連鎖移動剤に用いることで検討した。その結果、昨年度導入に成功したアリルエーテル基に加え、ベンジル基、アルキニル基、メタクリレート基などの反応性基を末端に有するポリマーの合成に成功した。反応性ポリマーは、マクロモノマーやマクロイニシエーターとして利用できることから、工業的に重要である。次に、得られた反応性ポリマーの有用性を確認するために、アリルエーテル基を末端に有するポリマーを用い、ポリエチレングリコールメチルエーテルチオールとのチオール‐エンカップリング反応による両親媒性ブロック共重合体を合成した。本両親媒性ブロック共重合体は、有害な金属が含まれていないので生体適合性材料してドラッグデリバリーシステム等に用いられることが期待される。 多分岐ポリマーの合成では、連鎖移動剤に多価アルコールを用いることで検討した。その結果、期待された多分岐ポリマーの簡便な合成に成功した。多分岐ポリマーは低粘性、多官能性など直鎖ポリマーにはない特性を有することから、機能性ポリマーとしての利用が期待される。また、多分岐ポリマーの合成結果は、プロトン性基を多数有する材料表面の改質も容易に行えることを示唆している。
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