2011 Fiscal Year Research-status Report
ナノ構造制御による多環縮合系パイ共役の高密度化と高電子伝導性材料への展開
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23550146
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岸岡 真也 群馬大学, 教育学部, 准教授 (30324007)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 機能物質化学 |
Research Abstract |
多環縮合系パイ共役構造が線形に超高密度化した高電子伝導性材料を実現するための基礎的な検討として、電解重合を適用する場合にはモノマーの選択が重要な因子の一つである。いくつかの基礎的な検討の結果、電解重合可能な二つのアミノ基を有する芳香族化合物である2,3-ジアノフェナジンに着目し、電気化学的な特性評価と電気化学重合挙動および重合生成物の酸化還元特性評価を行った。強酸性水溶液中で2,3-ジアノフェナジンの重合を行った場合、生成物であるポリマーは複雑な酸化還元挙動を示し、一見して解析が難しく、配向性などは期待できない。一方で、有機酸を添加したアセトニトリル中で2,3-ジアノフェナジンの電解重合を行った場合の生成物は、酸性水溶液中で電解重合を行った場合と全く異なり、吸着種に特有で比較的シンプルな酸化還元応答を示すことを見いだした。この場合、酸性水溶液中でのサイクリックボルタモグラムはピーク電位のpH依存性からは分岐した構造が予想される結果となったが、より重合条件を検討することで分子の配列配向が向上することが期待できる。微細形態を評価するためには走査型トンネル顕微鏡の観察が不可欠であり、その整備を継続している。また、導入した基板加熱ユニットを組み込んだ真空蒸着装置でAu(111)薄膜を作製し作用電極とすることで、より配向性を持たせた2,3-ジアノフェナジンの電解重合条件の検討を継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多環縮合系パイ共役構造が線形に超高密度化した高電子伝導性材料を実現するために電解重合法を適用する場合モノマーの選択が重要である。いくつかの化合物を候補として検討を開始した結果、2,3-ジアノフェナジンの酸化還元特性について、従来報告されているものとは異なる興味深い挙動を示すことを見いだし、平成24年3月の電気化学会第79回大会において発表を行った(論文投稿中)。重合に関与していないアミノ基の評価のためのプローブ分子として検討しているフェロセンカルボン酸の電極反応についても検討開始した。有機化合物の電極表面での配列配向を検討する際電極表面の平滑さは極めて重要な因子である。Au(111)基板を真空蒸着により作製する場合、基板温度制御が重要であり今年度に高性能な基板加熱ユニットを導入することができた。重合生成物の形態観察のための走査型トンネル顕微鏡を導入し、探針の作製や除振などの条件検索を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
芳香族ジアミンの電解重合反応に用いる作用電極をグラッシーカーボンからAu(111)へと変更して、電解重合生成物の走査型トンネル顕微鏡観察を開始する。表面観察の結果を電解重合条件へとフィードバックすることで一次元的配列と閉環性を追求する。重合生成物のアミノ基にフェロセンカルボン酸を導入し、残留アミノ基の定量的な評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
真空蒸着装置用の基板加熱ユニットの価格が予定よりも安価となったこと、及び各種消耗品の使用状況から次年度に使用予定の助成金が生じた。次年度分と合わせてAu(111)作製のための材料や真空部品のための消耗品や電気化学測定用試薬に充当する予定である。また、学会や論文投稿のための発表にも使用する予定である。
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Research Products
(1 results)