2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノ構造制御による多環縮合系パイ共役の高密度化と高電子伝導性材料への展開
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23550146
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岸岡 真也 群馬大学, 教育学部, 准教授 (30324007)
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Keywords | 機能物性化学 |
Research Abstract |
多環縮合系パイ共役構造が線形に超高密度化した高電子伝導性材料を実現するための基礎的な検討として、電解重合を適用する場合に重要な因子の一つとなるモノマーの選択として前年度に引き続いていくつかの基礎的な検討を行い、電解重合可能な二つのアミノ基を有する芳香族化合物 である2,3-ジアノトルエン、2,3-ジアミノフェノール、2,3-ジアミノニトロベンゼンに着目し、電気化学的な特性評価と電気化学重合挙動および重合生成物の酸化還元特性評価を行った。強酸性水溶液中でグラッシーカーボン電極を作用電極としてこれらの芳香族ジアミン類の重合を行った場合、生成物であるポリマーは比較的単純な酸化還元挙動を示した。これは単結晶電極を用いれば配向性が期待できることを示唆している。これらの化学修飾電極は酸性水溶液中で溶存酸素を触媒酸化することが明らかとなったため、いずれも分子構造として環が閉じたフェナジン部位を有することが分かった。微細形態を評価するためには走査型トンネル顕微鏡の観察が不可欠であり、その整備を継続しているが現有装置のトンネル電流アンプの感度が大気中で吸着有機分子を観察するためには不足していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多環縮合系パイ共役構造が線形に超高密度化した高電子伝導性材料を実現するために電解重合法を適用する場合に選択するモノマーとして、電解重合可能な二つのアミノ基を有する芳香族化合物 として新たに2,3-ジアノトルエン、2,3-ジアミノフェノール、2,3-ジアミノニトロベンゼンの酸化還元特性を検討した。これらの分子は酸性水溶液中で電解重合することおよびそれらの重合生成物は溶存酸素を触媒酸化することが明らかとなり、重合生成物の分子構造としていずれも分子構造として環が閉じたフェナジン部位を有することが分かった。これら分子の電解重合用作用電極をグラッシーカーボンから前年度に導入した基板加熱ユニットを装備した真空蒸着装置で作製したAu(111)基板に変更して、走査プローブ顕微鏡による構造観察を行う準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
芳香族ジアミンの電解重合反応に用いる作用電極をグラッシーカーボンからAu(111)へと変更して、電解重合生成物の走査プローブ顕微鏡観察を開始する。現有の原子間力顕微鏡で溶液中でのQ値制御やFMモードでの測定を検討し、分子レベルの解像度で観察が行えるようにする。表面観察の結果を電解重合条件へとフィードバックすることで一次元的配列と閉環性を追求する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
走査プローブ顕微鏡用のカンチレバーやQ値制御用電源、Au(111)作製のための材料や真空部品のための消耗品や電気化学測定用試薬に充当する予定である。ま た、学会や論文投稿のための発表にも使用する予定である。
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Research Products
(4 results)