2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23550150
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 知香 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00360214)
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Keywords | ポリオキソメタレート / 白金 / 光触媒 / 可視光 / 水 / 水素 / 酸化チタン / エオシンY |
Research Abstract |
白金は、様々な工業分野で利用されており、我々の生活になくてはならない元素のうちの一つであるが、地殻埋蔵量の減少や埋蔵地域の偏在、高コスト、シンタリング等の劣化や活性低下等、克服すべき課題も多い。本研究では、白金構造の分子レベル制御による高 効率利用技術の確立や新機能の発現を目指して、ポリオキソメタレート骨格中に白金種を分子レベルで組み込んだ新物質の開発を目的としている。 本研究期間中に我々は、ジアンミン白金(II)種、ビピリジル白金(II)種、フェナントロリン白金(II)種をケギン型一欠損ポリオキソメタレートに配位させた新規化合物の合成とキャラクタリゼーションを行い、その組成、構造、純度を決定した。これらの化合物を助触媒や光増感剤として用い、酸化チタンと共存させることで400 nm以上の可視光照射による水・メタノールからの水素発生を行った。その結果、白金一原子当たりのターンオーバー数は6時間後に800~1600に達しており、これは我々が最近開発した単核・二核レニウム(V)サイトを有するポリオキソメタレートの活性よりも著しく高かった。メタノールを基質として用いた場合は、光照射後も白金サイトの分解や構造変化が観測されず、安定性・耐久性に優れており、再利用も可能であった。 酸化チタン共存下での光触媒反応では、白金一原子当たりのターンオーバー数は高かったが、長波長領域の光照射では活性を示さなかった。そこで、酸化チタンの代わりにエオシンYを共存させた系を用いてトリエタノールアミン水溶液からの水素発生を行った。その結果、440nm以上の可視光照射下でも6時間後のターンオーバー数は680に達した。さらに、アルミニウム置換ポリオキソメタレートを共存させることで、エオシンYの分解が抑制され、長時間の光照射によっても活性低下が起こらないことを確認した。
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Research Products
(9 results)