2013 Fiscal Year Annual Research Report
錯体化を駆動力とした赤色発光型ゲルの創製とその機能化
Project/Area Number |
23550157
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
柘植 顕彦 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80179986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 充 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10313199)
|
Keywords | ゲル |
Research Abstract |
近年、オルガノゲル、ヒドロゲルが多くの分野で注目されている。 一方、我々はジケトン配位子がユーロピウム金属と安定な錯体を形成し、紫外光照射により非常に強い赤色発光を示すことを見出しているが、その際、アミド結合を含む配位子を用いた場合、興味あるゲル化挙動を確認した。 そこで、強い赤色発光という特性を有する錯体型のゲル化剤の創製を行うことを計画した。 すなわち、錯体形成と水素結合形成を駆動力とした全く新しいタイプのゲル化剤の創製、及び赤色発光型ゲルの機能化について明確にする。 具体的には、錯体化と水素結合形成の二つを駆動力としたゲル化過程を調べた。 まず、水素結合部位として、アミド基、及びウレア基を有する配位子の合成を行った。 また、長鎖アルキル部位として、一本鎖、二本鎖、三本鎖を有する多種多様のジケトン配位子、及び、グルタミン酸骨格を持つジケトン配位子の合成を行った。 一般に、ゲル化挙動は溶媒の種類、濃度、温度等の影響を受けることが知られていることから、ジケトン配位子の錯体化に伴うゲル化について、種々条件検討を行った。 具体的には、水素結合性の溶媒、極性溶媒、非極性溶媒等、あるいは、それらの混合溶媒を用いた場合のゲル化挙動を検討した。 さらにゲル化濃度についても詳細に調べた。 その結果、ゲル化挙動とアルキル鎖長、種類との相関関係を見出すことができた。 ジケトン配位子の様々な類縁体を合成しその特性を調べる一環として、分子内にウレア結合を導入した配位子の合成を行ないユーロピウム金属との錯化を行った。 その過程で、使用する溶媒によりその溶液がゲル化することを見出し、かつそのゲルが強い赤色発光を示すことも明らかにした。 二本鎖型では、配位子と錯体で類似のゲル化挙動を示したが、三本鎖型では、興味あることに、錯体にすることでゲル化能が低下することが見出された。
|
Research Products
(2 results)