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2011 Fiscal Year Research-status Report

環境応答型発光性イオン液体ゲルの開発

Research Project

Project/Area Number 23550159
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

白上 努  宮崎大学, 工学部, 准教授 (60235744)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords国際情報交流
Research Abstract

シクロフォスファゼン系イオン液体(PFCP-IL)において、アルキルアンモニウム部位のアルキル基の構造が異なる4種類のPFCP-IL誘導体の合成に成功した。また、フッ素原子を導入したアルキル基を持つPFCP-ILの合成はできなかった。次に対アニオンについて、通常のTFSI以外にPF6およびBF4を対アニオンとするPFCP-ILの合成にも成功した。しかし、TFSI以外のものは、常温において完全な液体状態にはならなかった。 合成したPFCP-IL誘導体の導電率および粘度の測定を行い、Waldenプロットにて分子会合性を評価した結果、他のイオン液体と比較して会合力が高いことがわかった。燃焼性の評価では、全てのPFCP-ILにおいて不燃性を示した。発光量子収率ではアルキル基がトリオクチル基であるPFCP-ILが最も高い値(4.4% in MeOH)を示すことがわかった。 次に、PFCP-ILと有機高分子とのゲル複合体調製について、従来のアクリル系ポリマー以外に、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリエチレンビニルアセテート(EVA)との複合化に成功し、透明度の高いゲルが得られた。調製したゲルのガラス転移温度の測定から、これら高分子とPFCP-ILとの高い相溶性(可塑性)が確認できた。 発光効率が最も高かったPFCP-ILとポリメタアクリル酸メチル(PMMA)およびPVCとのゲルにおいて発光スペクトルを測定した結果、ゲル化してもPFCP-ILからの発光が観測された。さらに、これらのゲルに熱履歴を与えると、PFCP-ILからの発光が増強する「加熱発光増強効果」が観測された。これは、加熱によってPFCP-ILの会合体形成が促進されたためと考えられる。さらにゲル膜の表面抵抗値を測定したところ、PFCP-ILの添加濃度の増加と共に抵抗値が減少し、PFCP-ILの帯電防止効果も確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成23年度に計画した実験項目については、全て遂行し、それぞれ実験結果を得ている。また、ゲル膜の透過率、表面抵抗値および発光スペクトルの測定は平成24年度計画に実施予定であったが、23年度に一部の実験を実施して結果を得ることができている。特に、加熱による発光増強効果の確認は、熱によって制御できる発光材料への発展の可能性を示唆しており、当初の研究目的に沿った実験結果が得られている。したがって、現在までの達成度としては、当初の研究計画以上に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度で得られたPFCP-ILゲルの「加熱発光増強効果」の詳細な発光メカニズムについて検討する。発光増強にはポリマー中に存在するPFCP-ILの会合体形成に起因している推測している。そのため、ポリマー中のPFCP-ILの動きに関する検討が必要であり、発光増強の速度計測等の速度論と温度依存性の実験から得られる熱力学パラメーター等を検討から、加熱による発光増強のメカニズムを解明することを24年度では計画している。これらのことを明らかにすることで、PFCP-ILゲルを用いた熱履歴センサー(光を感じて発光ずるプラスチック材料)としての応用展開を図りたいと考えおり、まずは熱応答に着目した「環境応答型発光性イオン液体ゲル」の開発を目指したい。 また、調製したゲル膜の表面抵抗値がPFCP-ILの添加によって減少したことから、ポウラスチックの帯電防止剤としても活用も同時に検討して行きたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品費については、イオン液体合成用として、試薬およびガラス器具、発光測定用として精密石英発光測定セル等の消耗品の購入を計画している。 旅費については、東京への学会発表(2回)および(株)プリヂストン中央研究所(東京)との研究打ち合わせ(2回)を予定している。 その他として、合成時に発生する有機溶媒の処理費および学内の分析機器使用料を計上している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011 Other

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] サーモクロミック発光機能を持つイオン液体ゲルの開発2011

    • Author(s)
      白上 努
    • Organizer
      光化学討論会
    • Place of Presentation
      宮崎河畔コンベンションエリア(宮崎市)
    • Year and Date
      2011年9月7日
  • [Presentation] シクロフォスファゼンイオン液体を含むIL/O型マイクロエマルションの調製

    • Author(s)
      白上 努
    • Organizer
      日本化学会第92春季年会
    • Place of Presentation
      慶応大学日吉キャンパス(横浜市)
    • Year and Date
      2012年3月27日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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