2013 Fiscal Year Annual Research Report
還元性安定化剤ミセルを用いた金ナノ材料の形状制御合成と機能性分子の配列制御の研究
Project/Area Number |
23550160
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岡村 浩昭 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30244221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵脇 淳一 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (10170078)
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Keywords | 金ナノ粒子 / シュガーボール / カルバ糖 / ミセル |
Research Abstract |
本研究の目的は、還元性安定化剤を用いたAu3+イオンの還元によるAuナノ粒子調製において、ナノ粒子の形状制御および表面修飾剤の配列制御を行うことである。H25年度は以下の研究を実施し、成果を得た。 1. 一昨年度に開発され、昨年度に改良された、シュガーボール型金ナノ粒子の調製法について詳細な検討を行い、この方法で得られる還元性安定化剤がこれまで想定されていたベンゼンチオール型の分子ではなく、スルファニルアニリン誘導体であることを確認した。スルファニルアニリン誘導体を用いた反応においても、生じる金ナノ粒子の安定性はベンゼンチオール誘導体から導かれたものと同等であることを確認した。スルファニルアニリン誘導体は合成が容易であることから、ベンゼンチオール誘導体よりも優れた還元性安定化剤であるといえる。 2. シュガーボール型金ナノ粒子とレクチンタンパク質との相互作用を詳細に検討し、両者の結合が、レクチンタンパク質の糖認識部位とシュガーボール型金ナノ粒子上の糖分子との特異的かつ可逆的な結合であることを確認した。 3. 異なる種類の還元性安定化剤の混合溶液中にAu3+イオン溶液を滴下することで、複数の分子を表面上に固定化した金ナノ粒子が得られることを確認した。また、分光学的手法によって組成比を決定する方法の開発を試みた。 4. キラルなベンゼンチオール誘導体の合成については、安定な生成物が得られなかったことから、合成計画の再検討を行っている。
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