2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23550166
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
矢島 辰雄 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (40434823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白岩 正 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (10067746)
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Keywords | 立体異性体の分離 |
Research Abstract |
昨年度までには、研究計画に基づいて三脚型配位子として、光学活性 1-(N,N-ジ(2-ピリジルメチル)アミノ)-エチル-2-ピリジン (MeTPA)ならびに (S)-N,N-ジ(2-ピリジルメチル)ヒスチジン (DPH)の合成を行ったがこれら配位子の収率は低く、これらの錯体を用いたアミノ酸の光学分割の検討は行えなかった。 また、光学活性三脚型配位子と同様の効果を持つ配位子として、L-ヒスチジン誘導体である N-(1-メチル-3-オキソ-3-フェニル-1-プロペン-1-イル)-L-ヒスチジンメチルエステル (BMVH)を合成し、この銅(II)錯体を用いて、様々なラセミアミノ酸の光学分割試験を行った。(RS)-2-アミノ酪酸 (ABA)を Cu-BMVH錯体により処理したところ、光学純度 49%の (R)-ABAが得られた。さらには、操作温度により、得られる ABAの立体配置が異なる現象も見られた。 さらに、立体選択的効果が大きいと思われる配位子として、プロリン誘導体である N-(ピリジルメチル)-L-プロリン (PMP)およびその類縁体 N-(ピリジルメチル)-L-チオプロリン (PMTP)を合成した。この PMPおよび PMTPは銅(II)イオンと1:1錯体を形成し、さらにアミノ酸が配位することができる。特に PMTPの銅(II)錯体を用いて DL-アミノ酸の光学分割を試みたところ、脂肪族アミノ酸である ABA、芳香族アミノ酸であるフェニルアラニン (Phe)、親水性アミノ酸であるトレオニン (Thr)などといった多種なアミノ酸に対して、難溶性三元錯体からは L-アミノ酸が、易溶性三元錯体からは D-アミノ酸が高い光学純度で得られることが判明した。
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Research Products
(3 results)