2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23550183
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤田 賢一 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 主任研究員 (10242934)
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Keywords | デンドリマー / オスミウム / ジヒドロキシル化反応 / 金 |
Research Abstract |
昨年度コア部の中心に三級窒素を有するデンドリマー固定化酸化オスミウム触媒が良好な触媒活性を与えることを明らかにしたので、今年度はまず当該構造の最適化を試みた。その結果、コア部の中心に三級窒素を2つ有するデンドリマー固定化酸化オスミウム触媒は、全く触媒活性を有しないことが分かり、各種三級アミンを共存させジヒドロキシル化反応を行った結果と併せ、分子内三級窒素導入の新規効果を明らかにすることができた。 そこで、デンドリマーコア部の中心に三級窒素を一つ有するデンドリマー固定化酸化オスミウム触媒を用いて、種々のオレフィンのジヒドロキシル化反応を行ったところ、スチレン類縁体、鎖状オレフィンおよび環状オレフィン等の何れのオレフィンの場合も、対応するジオール体が収率よく得られ、またこれまでに報告された不均一系酸化オスミウム触媒と比較して反応が速いことがわかった。また、電子求引基を有するオレフィンや内部オレフィン等の比較的反応性の低いオレフィンを用いた場合でも、反応時間を延ばすことにより、収率よく対応するジオール体が得られた。 さらに、デンドリマーコア部の中心に三級窒素を一つ有するデンドリマー固定化酸化オスミウム触媒と光学活性配位子として (DHQ)2PHAL をそれぞれ 1 mol% 用い 不斉ジヒドロキシル化反応を行った。反応終了後再沈殿により、デンドリマー固定化触媒と光学活性配位子両者を回収でき、光学活性配位子を再び添加することなく繰り返し不斉ジヒドロキシル化反応が達成された。 さらに多様な触媒活性が期待される含窒素複素環カルベン-金錯体触媒の活性向上と長寿命化を企図し、含窒素複素環カルベン-金錯体をデンドリマーコア部に導入したデンドリマー固定化カルベン-金錯体を新規に合成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デンドリマー型支持体の多様化と各種遷移金属錯体への適用により、本触媒設計手法の一般性と汎用性が示され、さらに不斉反応にも適用可能なことから、高付加価値製品の製造をも可能としており、研究は順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画どおり、各種触媒系に展開させる。特に含窒素複素環カルベン錯体触媒を用いた各種触媒系に適用させ、本触媒設計の有用性、汎用性を実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記研究の実施にあたり、研究費は消耗品(有機試薬、無機試薬、ガラス器具、理科学雑品)、国内旅費(成果発表)、その他(学会参加登録費、外注分析費)等に充当する。
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Research Products
(1 results)