2011 Fiscal Year Research-status Report
機能性リボヌクレオタンパク(RNP)複合体の構築原理の解明
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23550190
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
原田 和雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00301169)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | リボヌクレオタンパク質(RNP)複合体 / λNタンパク質 / アンチターミネーション / RNA-ペプチド複合体 |
Research Abstract |
本研究では、機能性リボヌクレオタンパク質(RNP)複合体の構築原理の理解を目的とし、機能性RNPの一つであるλNタンパク質を中心とするアンチターミネーション複合体をモデル・システムとして用いた解析を行う。本研究期間は、次の3つのことを行った。まず、(1)「コア」アンチターミネーション複合体における個々の相互作用(Nタンパク質とNusA、Nタンパク質とRNAポリメラーゼなど)の改変/最適化を試みた。その結果、Nタンパク質のNusA結合領域におけるアミノ酸置換により、活性の上昇が見られることを明らかにした。次に、(2)「コア」アンチターミネーション複合体における各構造モジュール(特にRRE-RevおよびBIV TAR-Tat相互作用)の空間配置を予測可能な形でエンジニアリングすることが可能であることを見いだした。具体的には、アンチターミネーション複合体におけるRRE、およびBIV TAR RNAの配向を180°変えることによる活性の低下をステム長を変化させることにより予測可能な形で相補することができた。さらに、(3)「完全な」アンチターミネーション複合体形成におけるboxA配列の役割について解析した。その結果、in vitroではboxAの存在は必須では無いのに対して、細胞内では近傍のターミネーターをリードスルーする際にも必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の「計画実施計画」では、上記の3つの項目の研究を計画した。その中で、項目(1-(2))については、相互作用に重要なアミノ酸残基を同定することが出来ましたが、その最適化まで進めることは出来なかった。しかしながら、その他の項目についてそれぞれ一定の成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画研究調書の通り研究を進めます。まず、前年度に完了することが出来なかった項目(1-(2))について研究を継続するとともに、前年度明らかにした結果を踏まえて、複合体の各モジュールの協同性やその複合体における配向(orientation)、複合体のエンジニアリングにおける可塑性について検証する(4-(1))。次に、コア複合体における相互作用ネットワーク、および各モジュールの空間的な配置を最適化することにより、boxA領域に対する依存性の変化を解析し、boxA領域を必要としない複合体の構築の可能性について検証する(4-(2))。最後に、これらの結果を踏まえて、アンチターミネーション複合体の3次元モデルを構築する(4-(3))。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、主に大腸菌を用いたレポーター・アッセイにより行う。そのため、当初予定していた通り、一般的な大腸菌を用いた組換えDNA実験に用いる一般試薬(酵素など)、実験消耗品、および受託合成オリゴDNAの購入を計画している。
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Research Products
(1 results)