2012 Fiscal Year Research-status Report
機能性リボヌクレオタンパク(RNP)複合体の構築原理の解明
Project/Area Number |
23550190
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
原田 和雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00301169)
|
Keywords | リボヌクレオタンパク質(RNP)複合体 / λNタンパク質 / アンチターミネーション |
Research Abstract |
本研究では、機能性リボヌクレオタンパク質(RNP)複合体の構築原理の理解を目的とし、機能性RNPの一つであるλNタンパク質を中 心とするアンチターミネーション複合体をモデル・システムとして用いた解析を行う。研究期間1年目は、次の3つのことを行った。まず 、(1)「コア」アンチターミネーション複合体における個々の相互作用(Nタンパク質とNusA、Nタンパク質とRNAポリメラーゼなど )の改変/最適化を試みた。その結果、Nタンパク質のNusA結合領域におけるアミノ酸置換により、活性の上昇が見られることを明らかにした。次に、(2)「コア」アンチターミネーション複合体における各構造モジュール(特にRRE-RevおよびBIV TAR-Tat相互作用 )の空間配置を予測可能な形でエンジニアリングすることが可能であることを見いだした。具体的には、アンチターミネーション複合 体におけるRRE、およびBIV TAR RNAの配向を180°変えることによる活性の低下をステム長を変化させることにより予測可能な形で相 補することができた。さらに、(3)「完全な」アンチターミネーション複合体形成におけるboxA配列の役割について解析した。その 結果、in vitroではboxAの存在は必須では無いのに対して、細胞内では近傍のターミネーターをリードスルーする際にも必要であるこ とが明らかになった。本研究期間は、Nタンパク質とRNAポリメラーゼとの相互作用を解析し、Nタンパク質において重要なアミノ酸の解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度明らかにした結果を踏まえて、複合体の各モジュールの協同性やその複合体における配向(orientation)、複合体のエンジ ニアリングにおける可塑性について検証する(4-1)、および、コア複合体における相互作用ネットワーク、および各モジュールの空間 的な配置を最適化を行うことができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度明らかにした結果を踏まえて、複合体の各モジュールの協同性やその複合体における配向(orientation)、複合体のエンジ ニアリングにおける可塑性について検証する(4-1)。次に、コア複合体における相互作用ネットワーク、および各モジュールの空間 的な配置を最適化することにより、boxA領域に対する依存性の変化を解析し、boxA領域を必要としない複合体の構築の可能性について 検証する(4-2)。最後に、これらの結果を踏まえて、アンチターミネーション複合体の3次元モデルを構築する(4-3)。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、主に大腸菌を用いたレポーター・アッセイにより行う。そのため、当初予定していた通り、一般的な大腸菌を用いた組換え DNA実験に用いる一般試薬(酵素など)、実験消耗品、および受託合成オリゴDNAの購入を計画している。
|
Research Products
(2 results)