2011 Fiscal Year Research-status Report
金属を抗原結合部位にもつテーラーメイド人工酵素(抗体酵素)の創製
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23550196
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
円谷 健 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00372855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70189984)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 抗体酵素 / 遷移状態アナログ / 抗原 / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / 免疫 / 進化分子工学 / ライブラリー |
Research Abstract |
本提案では,抗原結合部位に金属錯体をコファクターとして導入することにより,遷移金属による触媒機能を抗体タンパク質に導入する手法を検討する.そのために新たな金属錯体を含む遷移状態アナログを設計,合成し,モノクローナル抗体を作製する.さらに,得られた抗体酵素の反応速度論的解析や構造解析を通じて,その触媒機構を明らかにすると同時に,ファージライブラリーを作製し,触媒反応のための抗原結合部位における分子認識を最適化するための方法論を開発する. 本年度は,化合物1のタンパク質コンジュゲートをマウスに免疫し,金属を含む遷移状態アナログである化合物1を認識するマウスモノクローナル抗体を作製した.1.ハプテンの合成:化合物1(ハプテン)を合成した.次に,化合物1をKLHやBSAと結合させハプテンコンジュゲートを作製した.2.マウス免疫法によるモノクローナル抗体の作製:ハプテンコンジュゲート (化合物1-KLH)をマウスに免疫した.マウスに2週間おきに3回免疫し,3回目の免疫から1週間後に採血し, ELISA法を用いて血中抗体価を測定した.最も高い抗体価を与えたマウスに化合物1-KLHを最終免疫し,最終免疫から3日後に脾臓を摘出し,電気細胞融合装置を用いて,ミエローマ細胞と脾臓細胞との細胞融合を行った.ハイブリドーマをクローニングによりモノクローンとして,それぞれのハイブリドーマを大量培養した.さらに,抗体は,プロテインGカラムを用いてFPLCにより精製した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,まず,交付申請書に記載のハプテン1をまず合成し,さらに,そのタンパク質コンジュゲートを合成した.その後,タンパク質コンジュゲートをマウスに免疫していくつかのモノクローナル抗体を作製することができた.従って,当初の計画をほぼ順調に遂行することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,本年度作製したモノクローナル抗体について,エステル結合の加水分解反応を行うことによってスクリーニングし,抗体酵素を特定する.さらに来年度は,これまで計画していた研究課題に加えて新たにこれまで我々が獲得に成功しているホロ酵素型抗体酵素の抗原結合部位に金属分子を有する人工コファクターを導入することを計画した.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度行ったモノクローナル抗体の作製は順調に進んだため次年度に繰り越す研究費が生じた.そこで,新たにホロ酵素型抗体酵素の抗原結合部位に金属分子を有する人工コファクターを導入する実験を計画し,その遂行のために,前年度繰り越した研究費を使用することとした.
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