2012 Fiscal Year Research-status Report
金属を抗原結合部位にもつテーラーメイド人工酵素(抗体酵素)の創製
Project/Area Number |
23550196
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
円谷 健 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00372855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70189984)
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Keywords | 抗体酵素 / 遷移状態アナログ / 抗原 / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / 免疫 / 進化分子工学 / ライブラリー |
Research Abstract |
本提案では,抗原結合食いに金属錯体をコファクターとして導入することにより,遷移金属による触媒機能を抗体タンパク質に導入剃る方法を提案する.そのために新たな金属錯体を含む遷移状態アナログを設計,合成し,モノクローナル抗体を作製する.さらに,得られた抗体酵素の反応速度論的解析や構造解析を通じて,その触媒機構を明らかにすると同時に,ファージライブラリーを作製し,触媒反応のための抗原結合部位を最適化するタモの方法論を開発する. 本年度は,化合物1のタンパク質コンジュゲートを免疫して得られたモノクローナル抗体について,エステル加水分解反応の反応加速を検討した.しかしながら,いずれの抗体についても加水分解反応を加速しなかった. そこで,ホロ酵素型抗体酵素を用いて,抗原結合部位に遷移金属錯体を導入することを検討することした.本ホロ酵素型抗体酵素は,p-ニトロフェニル基をもつ基質分子およびN-アセチルフェニル基を持つコファクター分子の両方を抗原結合部位に導入することができる.そのために,まずN-アセチルフェニル基と遷移金属の距離の異なる3種類の遷移金属錯体を合成した.また,同様にp-ニトロフェニル基と反応部位であるアルコールとの距離の異なる3種類の基質を合成した.さらに,今後触媒反応を検討するため,ホロ酵素型抗体酵素の中から,これまでの研究結果から判断して適切と考えれる数種類の抗体を選び大量合成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたハプテンの免疫により得られた抗体の触媒活性は,残念ながら観測されなかった.しかしながら,新たにホロ酵素型抗体酵素への遷移金属を導入することを検討することとし,そのために新たに基質3種類とコファクター3種類を合成することができた.方法論は若干変更さざるを得なかったが,抗原結合部位に遷移金属錯体を導入するという目的達成のため順調に研究は進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,本年度に合成した3種類の遷移金属を含むコファクターおよび3種類の基質を用いて,数種類のホロ酵素型抗体酵素について目的とする酸化反応が進行するか検討する.また,得られた結果をもとに,反応加速を最適化するためのコファクターおよび基質の最適化を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(14 results)