2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属を抗原結合部位にもつテーラーメイド人工酵素(抗体酵素)の創製
Project/Area Number |
23550196
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
円谷 健 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00372855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70189984)
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Keywords | 抗体酵素 / 遷移状態アナログ / 抗原 / モノクローナル抗体 / ハイブリドーマ / 免疫 / コファクター |
Research Abstract |
本提案では,抗原結合部位に金属錯体を導入することにより,遷移金属による触媒機能を抗体タンパク質に導入する手法を検討する.遷移金属錯体は多様な反応性を有しているため,これらを抗原結合部位に導入できれば,抗体酵素の適用範囲は大きく広がる.昨年度までの結果をふまえ,今年度は,特にホロ酵素型抗体酵素を用いて,人工コファクターとして抗原結合部位に遷移金属錯体を導入することを検討した.そのために,新たな人工コファクターとしてRu錯体を含む化合物を設計合成した.得られた人工コファクターを用いて,アルコールの酸化反応を検討した. (1) 金属含有人工コファクターの設計及び合成:人工コファクターとしては,抗体の認識部位であるp-アセチルアミノフェニル基を導入することが必須となるが,抗体27C1の分子モデルの結果より,p-アセチルアミノフェニル基とRu錯体とは3個のメチレン鎖を導入することが最適と考えられた,そこで,人工コファクターとしてp-アミノフェニル基とRu錯体とを2個(コファクター1)および3個(コファクター2)のメチレン鎖で結合した化合物を合成した.また,基質としては,p-ニトロフェニル基(抗体結合部位)とベンジルアルコールをメチレン基2個(基質1),3個(基質2),4個(基質3),5個(基質4)で結合した化合物を合成した. (2)触媒反応の検討:抗体27C1について金属含有人工コファクターの存在下,基質であるベンジルアルコール誘導体アルコールの酸化反応を検討した.その結果,抗体27C1の存在下,p-アセチルアミノフェニル基とRu 錯体とをメチレン鎖3個で結合したコファクター2を共存させると,基質4の酸化反応において触媒反応が観測された.今後,触媒反応の詳細について検討する.
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Research Products
(10 results)