2013 Fiscal Year Annual Research Report
フェリチンコア金属粒子の基板上への精密配列化におけるペプチド集合体の鋳型効果
Project/Area Number |
23550200
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
富崎 欣也 龍谷大学, 理工学部, 教授 (90397026)
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Keywords | ペプチド / 自己集合化 / ナノファイバー / フェリチン |
Research Abstract |
本研究課題の研究実施期間は平成23ー25年度である。 平成23年度は、アポフェリチンの内部空空孔にZnSeナノ粒子を選択的に取り込んだ再構築ZnSe-フェリチンの合成を行った。また、9アミノ酸残基からなる短鎖ペプチドを設計・合成し、透過型電子顕微鏡観察(TEM)によって、水溶液中でナノファイバー構造へと自己集合化することを確認した。 平成24年度は、上記ペプチドのN末端にビオチン基を連結したペプチドを新たに合成し、2種ペプチドを共存下で自己集合化させることで、ナノファイバー形成を行った。これに抗ビオチン抗体を介して、ビオチン化再構築ZnSe-フェリチンのナノファイバー上への配列化を試みた。透過型電子顕微鏡観察(TEM)によって、ZnSeナノ粒子がナノファイバーに沿って配列していることが確認されたが、低密度であった。 平成25年度は、2カ年の研究成果を受けて、ビオチン化ペプチドのみを用いて作製したナノファイバー上へのナノ粒子の高密度配列化を試みた。また、再構築ZnSe-フェリチン合成の収率が低いことに着目し、酸化鉄を内包する天然型フェリチンにビオチン基を結合したビオチン化フェリチンを合成し、配列化を行った。すると、再構築ZnSe-フェリチンの配列化に比べて多数のナノ粒子の配列化が確認できた。抗ビオチン抗体の代わりにストレプトアビジンを用いてビオチン化フェリチンの配列化を行ったところ、多くのナノ粒子の配列化が確認できたが、抗ビオチン抗体利用のときと比べると少数であった。 以上、自己集合化ペプチドが形成するナノファイバー構造体に沿ってフェリチンおよび再構築フェリチンの配列化が可能となった。今後は、これらの知見を基に、更なる高密度配列化およびメモリや触媒反応場としての利用を試みる。
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