2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23550206
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
猪股 智彦 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40397493)
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Keywords | 燃料電池 / イオン液体 / 酸素活性化 / 4電子還元 |
Research Abstract |
本申請では、末端に架橋基を有するイオン液体修飾電極中に酸素4電子還元反応などの酸素活性化が可能な機能性金属錯体を導入し、その後イオン液体の架橋基同士を架橋することで、安定な酸素活性化電極の構築を目指したものである。 H24年度までに、末端に架橋基(末端二重結合)を有する4級アンモニウム型イオン液体を金電極上に修飾し、電極上のイオン液体間の隙間に酸素活性化が可能な鉄複核錯体を導入した。その後、末端架橋基同士をGrubbs触媒を用いたオレフィンメタセシス反応により架橋することで、鉄錯体の電極上への封じ込めを行った。得られた電極の構造や性質に関しては、各種電気化学測定および表面赤外分光測定により特定した。電極上に封じ込められた鉄複核錯体は末端架橋基間の架橋前後で特にその酸化還元挙動に変化は無いことが確かめられた。 最終年度であるH25年度は、回転リングーディスク電極上に上記の電極を構築し、酸素活性化(酸素4電子還元反応)に対する電極の機能性を検討した。イオン液体部分の末端架橋基間を架橋する前の電極では、酸素活性化の際に流れる電流は3.1電子程度となり、酸素の2電子還元と4電子還元が共存する状態となった。これは我々のグループで以前に開発した4級ホスホニウム型イオン液体修飾電極内に鉄複核錯体を封じ込めた機能性電極を用いた場合と同程度の値であった。一方、末端架橋基を架橋後の電極では、酸素活性化における反応電子数が3.7電子となり、架橋前に比べて酸素4電子還元反応が優先的に起こる結果となった。従って、電極上にイオン液体をより強固に固定化することで、酸素4電子還元反応が進行しやすくなり、本機能性電極の燃料電池等の空気極への応用に一定の道筋がつけられた。
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Research Products
(3 results)