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2012 Fiscal Year Research-status Report

分子間力制御によるナノカーボン材料の光機能性可溶化剤

Research Project

Project/Area Number 23550215
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

高原 茂  千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (90272343)

Keywordsナノ材料 / カーボンナノチューブ / グラフェン / 反応・分離工学 / 超分子化学 / 可溶化剤 / フォトクロミック / 光反応
Research Abstract

平成23年度に得られた大きな進展,すなわち,アルキル鎖の比較的短いジプロピルヘテロコアジアンスロンによってカーボンナノチューブが可溶化できること,さらにジプロピルヘテロコアジアンスロンでは可溶化した単層カーボンナノチューブの分散溶液から可視光照射によりカーボンナノチューブが析出することを基にして,さらに分子設計を拡げた。アルキル基を導入したベンゾキサンテンにおいてもカーボンナノチューブの光析出をさせることができた。これにより,光機能性可溶化剤候補化合物を増やすことができた。
しかし,ジプロピルヘテロコアジアンスロンを用いてのカーボンナノチューブの薄膜形成については,露光波長を変えての実験など鋭意取り組んだが,本年度においてはカーボンナノチューブ薄膜の光パターニングプロセスの確立には至っていない。ところが,意外なことにジプロピルヘテロコアジアンスロンとカーボンナノチューブ錯体薄膜中から光によって直接カーボンナノチューブが析出する非常に興味深い現象を観察することができた。
また,グラフェンシートの溶解と光析出プロセスを試みたが,カーボンナノチューブを溶解-光析出する反応条件では同様な現象は観測されず,グラフェンシートの種類を変えての実験を進めている。
研究成果の発信では,カーボンナノチューブの光機能性可溶化剤としての成果を光化学の分野では最も代表的な国際学会であるIUPAC Symposium on Photochemistryにおいて口頭発表したほか,アジア光会議でも発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

目的のひとつである「分子間力の変化にもとづく可溶化-不溶化メカニズムによるナノカーボン材料の光精製と光パターニングの原理的な検証」では実際にこの現象を起こす光機能性可溶化剤例を増やすことができ,普遍性のある現象であることが示された。さらに,グラフェンシートなど難溶解性の多環芳香族化合物などのさまざまなカーボン材料に適用するための光機能性可溶化剤の検討にも着手することができた。
課題であったジアルキルヘテロコアジアンスロン誘導体の十分な量の合成のためにパックドカラムの利用が効率的で,本年度,他の予算も利用し,本研究費ではパックドカラム検出器部分を整備した。これによりジアルキルヘテロコアジアンスロン誘導体の精製が用意になり,条件を変えての実験や,ジプロピルヘテロコアジアンスロンとカーボンナノチューブ錯体薄膜中から光によって直接カーボンナノチューブが析出する意外な現象の発見につながった。さらにこれによって今後基礎的な溶液濃度と単層カーボンナノチューブの溶解量との関係や溶媒との関係,会合状態の対応と相互作用の推定の検討も進めることが容易になった。
また,代表的な国際学会での発信も行い,この研究についての興味を持たれている。

Strategy for Future Research Activity

ジプロピルヘテロコアジアンスロンやジプロピルベンゾキサンテンなどアルキル置換アントラセン誘導体で成果がでている。したがって,これらの化合物を中心に基礎的な会合現象の測定,比較分析を行い,分子設計における知見を得ていく。さらにはグラフェンや単層カーボンナノチューブなどのカーボンナノ材料以外にも展開できると考えられるので,平成24年度には手がつけられなかった難溶性縮合芳香族化合物の光分離・光パターニングの検討を行う。
特にナノカーボン材料の光パターニングによる薄膜形成は材料的立場から重要であると考えており,引き続き注力する。また期待していなかった光可溶化剤―カーボンナノチューブ薄膜からの光析出にも注目し,その現象を明らかにするとともに応用の可能性も探る。
一方,水系での光機能性可溶化剤も並行して検討しているが,合成に手間取っている。そのため,すでに合成実績のあるスルホ基を有するアントラセン誘導体が単層カーボンナノチューブを水に可溶化した成果を基に会合性の違いなどまず基本的なことを明らかにし次につながる分子設計の知見を得る。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

備品はほぼ揃ったので実験を効率良くすすめ,また,国際会議に参加し,本研究成果を積極的に発表するとともに産業財産権,および論文発表をまとめることに注力する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Photo Precipitation of Single-walled Carbon Nanotube by Photo-functional Soubilizer2012

    • Author(s)
      Masaya Ninoyu, Atsushi Kondo, Takashi Karatsu, Shigeru Takahara
    • Organizer
      7th Asian Photochemistry Conference 2012
    • Place of Presentation
      Osaka, Japan
    • Year and Date
      20121112-20121115
  • [Presentation] Photochromic solubilizer of carbon nanotube: dialkyl-heterocoerdianthrones2012

    • Author(s)
      Shigeru Takahara*, Masaya Ninoyu, Atsushi Kondo, Takashi Karatsu
    • Organizer
      XXIV IUPAC Symposium on Photochemistry
    • Place of Presentation
      Coimbra, Portugal
    • Year and Date
      20120715-20120720

URL: 

Published: 2014-07-24  

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