2013 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を反応場とする高選択的金属ナノ粒子触媒反応の開拓
Project/Area Number |
23550218
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
仲程 司 近畿大学, 理工学部, 講師 (10375371)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 不斉鈴木宮浦クロスカップリング反応 / パラジウムナノクラスター / BINAP |
Research Abstract |
本研究では、光学活性なBINAPで保護されたパラジウムナノ粒子(BINAP-Pd)触媒を用い、超臨界二酸化炭素を反応場とした不斉Suzuki-Miyaura cross coupling反応を検討した。まず初めに、4-bromotoluene とphenylboronic acidを基質に用い、超臨界二酸化炭素を反応場とする不斉Suzuki-Miyaura cross coupling反応を行った。その結果、有機溶媒中での反応に匹敵する高いエナンチオ選択性と高い反応収率が得られることを確認した。またBINAP配位子の4,4’位に、フッ化アルキル基を導入した4,4’-RF6-BINAP配位子を新たに合成し、これを用いた有機分子保護パラジウムナノ粒子(4,4’-RF6-BINAP-Pd)の合成も行った。得られた4,4’-RF6-BINAP-Pdを用い同様に反応を行ったところ、有機溶媒中での反応を凌駕する高いエナンチオ選択制を発現することを明らかにした。これは、BINAP配位子の4,4’位に導入したフルオロアルキル基が、超臨界二酸化炭素と高い親和性を持つ事が一つの要因であると考えている。続いて、これらパラジウムナノ粒子の助触媒として、酸化銀を少量加えることで反応収率が大幅に向上することを見出した。さらに、反応基質である4-bromotolueneとphenylboronic acidを、4- iodotoluene、及びphenylboronic acidのピナコールエステル体へそれぞれ変更して反応を行ったところ、溶解補助剤の添加無し(すなわち超臨界二酸化炭素以外の反応溶媒を使用しない条件)で、高収率で反応が進行することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)