2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23550224
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
伴 隆幸 岐阜大学, 工学部, 准教授 (70273125)
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Keywords | 多孔体 / ゼオライト / 材料合成 / 結晶成長 |
Research Abstract |
ゼオライトの大きな単結晶と,細孔が表面に垂直に存在するゼオライト配向薄膜の作製を検討した。 大きな単結晶の合成においては,ゼオライトとしてシリカライト-1を用いた。シリカライト-1はケイ酸イオンとテンプレート剤であるテトラプロピルアンモニウム(TPA+)イオンの反応により生成する。大きな結晶を得るには,有機配位子を用いてケイ酸イオン濃度を制御することが有効と考えられる。そこで,有機配位子であるカテコールとケイ酸イオンの錯体形成反応に対する種々の影響を調べた。その結果,pHが大きいほど反応が進むこと,アミンでpH調整するとアミンとカテコールでイオン対を形成して錯体が生成しにくくなること,得られた錯体は水に溶解するがTPA+を添加すると沈殿することなどが明らかになった。これらを考慮して有機配位子を用いてシリカライト-1を合成した結果,適切な条件を選べば有機配位子の添加が大きな結晶を得るのに有効であることが確かめられた。 ゼオライト配向薄膜の作製では,テンプレート剤をカップリング剤で表面に結合させた基板上でA型ゼオライトを合成し,得られる薄膜が配向化するかを調べた。シランカップリング剤で化学修飾したガラス基板を用いると,水熱処理で基板が溶解してしまった。そこで,表面を酸化したチタン基板をホスホン酸誘導体のカップリング剤で化学修飾したものを用いた。その結果,カップリング剤をもたないチタン基板表面で緻密なゼオライト薄膜が作製された。カップリング剤をつけると,ゼオライトの粒子が大きくなり薄膜が厚くなった。つまり,カップリング剤が結晶核生成点となることを期待したものの,カップリング剤よりも酸化チタン表面でゼオライトが生成しやすいことが分かった。この結果より,高配向性酸化チタン層を表面にもつ基板を使うことにより,緻密なゼオライト配向薄膜が一段階で作製できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)