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2011 Fiscal Year Research-status Report

有機塩素化合物の分解・無害化のための高活性な複合型光触媒ペレットの開発

Research Project

Project/Area Number 23550227
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

山崎 鈴子  山口大学, 理工学研究科, 教授 (80202240)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 安達 健太  山口大学, 理工学研究科, 准教授 (80535245)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords環境材料 / 触媒・化学プロセス / 複合材料・物性 / 光触媒 / 有機塩素化合物
Research Abstract

本研究は、酸化タングステンゾルと酸化チタンゾルの混合(最適混合モル比は1:2)により得られた光触媒活性の向上を利用して、高活性な複合型光触媒ペレットを作製することを目的としている。そこで、今年度は、ゾル状態における光触媒活性の向上の原因の解明、混合ゾルを乾燥、焼成することによる複合型ペレットの作製とその光触媒活性の評価について検討した。前者については、酸化チタンゾル、酸化タングステンゾル、最適混合比で調製した混合ゾルのそれぞれを用いてトリクロロエチレンの分解実験に関する速度論的研究を行った。得られた反応速度式や反応速度の温度依存性の結果から、電荷分離によって生じた電子は酸化タングステンに、ホールは酸化チタンに移動することで効率よく再結合が抑制されていることが分かった。そこで、この混合ゾルを乾燥、焼成して複合型ペレットを作製したが、その光触媒活性は酸化チタンよりも低かった。また、ゾル中の酸化チタンのモル分率を変化させて複合型ペレットを合成したが、いずれの条件においても酸化チタンを超える光触媒活性は得られなかった。そこで、複合体を固体化することによる光触媒活性低下の原因を解明するために、合成した複合型ペレットのXRDパターンやBET比表面積を測定し、電子線マイクロアナライザー(EPMA)による表面分析を行った。その結果、複合型ペレット表面におけるTi/W比はゾルの混合比と一致しており、焼成ペレットの表面は混合ゾルと同じ組成で構成されていることが分かった。一方で、比表面積は酸化タングステンの添加により著しく低下することが分かった。したがって、ゾルで得られた混合による光触媒活性の促進を固体系で実現するためには、酸化タングステンの添加による比表面積の大きな低下を抑制することが必要であることが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ゾル状態での光触媒活性向上の原因が解明され、さらに、ゾルの混合、焼成により得られた複合型ペレット表面での組成比はゾルの組成比を反映していることが分かった。それにもかかわらず、固体系で活性が向上しない原因は、酸化タングステンの添加による比表面積の著しい低下にあることが判明した。したがって、比表面積の低下を抑制できれば、高活性な複合型ペレットが作製できるという研究指針が得られたので、おおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

高活性な複合型光触媒ペレットを開発するためには、酸化タングステンの添加による比表面積の低下を抑制すればよいことが判明したので、まず比表面積の大きな酸化タングステンの合成法の確立を目指す。その手法としては、水熱処理の導入のほか、酸化タングステンに吸着する有機物をゾル中に添加し、高温焼成により有機物を分解して、多孔質化することを予定している。比表面積の大きな酸化タングステン合成法が確立できれば、その途中のゾルを現有の酸化チタンゾルと混合し、乾燥、焼成することで、高活性な複合型ペレットの開発へとつなげていく。酸化タングステンペレット、酸化チタンペレット、両者の複合型ペレットの光触媒活性の評価は、当初の計画通り気相系でのトリクロロエチレンの分解実験により行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

高活性な複合型ペレットを開発するためには、比較のために酸化タングステンペレットの合成が必要である。研究計画では、今年度は酸化タングステンペレットの作製とその反応機構の解明を行い、次年度以降に複合化による高活性なペレットの開発を予定していた。しかし、現在の酸化タングステンゾルを用いて酸化タングステンペレットを合成すると、比表面積が非常に小さく、トリクロロエチレンの光触媒分解反応における活性評価が行えないことが分かった。そこで、今年度はゾルでの活性向上の原因を解明し、次年度以降に計画していた複合化の実験を一部行うことで、現在の調製ゾルを使用することによる問題点を明らかにすることにした。そのため、今年度に予定していた水熱合成のための装置や気相反応追跡に必要なガスボンベやバルブ類などの購入は次年度となったので、繰り越しの研究費が生じた。今年度と次年度の実験の順序は入れ替わったが、目的を達成するための研究内容自体はおおむね計画通りであり、次年度は、今年度購入しなかった物品を購入して、計画通りに研究費を使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 酸化チタン-酸化タングステンハイブリッド系におけるトリクロロエチレンの光触媒分解反応2011

    • Author(s)
      山崎鈴子
    • Organizer
      2011年光化学討論会
    • Place of Presentation
      宮崎市民プラザ(宮崎市)
    • Year and Date
      2011年9月8日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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