2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23550232
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
後藤 琢也 同志社大学, 理工学部, 准教授 (60296754)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂谷 寛 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90314252)
|
Keywords | ダイヤモンド / 核発生 / 溶融塩 |
Research Abstract |
今年度は、既設の分析機器で、ダイヤモンド核の形態、科学的性質について、昨年度得られたサンプルについて検討を加えた。また、昨年度の電解パラメータの解析を行ったところ次の成果が得られた。ダイヤモンドを電解により作成する際に、電気二重層の充電が進行しており、まだ、電気化学反応が進行していないと従来考えられていた考えられる電解初期(10^-4 s)において、既にダイヤモンド核が発生していることを明らかにした。これは、溶融塩中においては、水溶液中における従来の電解時に提唱されている核発生モデルとは異なる電解析出のメカニズムである可能性を示す結果であり、今後、より詳細な電解初期の素過程を明らかにする必要があることが明らかとなった。また、ダイヤモンドは、Au-Pt合金上にもっともよく生成することが明らかになった。また、ダイヤモンド核発生密度については、初期に印加された電位に対して、電流密度が大きい時ほど、ダイヤモンドの密度が大きいことを明らかにした。しかしながら、基板の素地の形態、たとえば、ステップ、テラス、キンクのどのサイトから、形成しているかについてFE-SEMにより観察を行ったが、明確な傾向を見出すことはできなかった。また、結わえる準結晶ダイヤモンドも数密度は低いながらも、ある程度再現性良く得られることを明らかにした。これらのことから、昨年の試料の各種分析および電解パラメータ解析をすることにより、電解によるダイヤモンド合成とその形成について基礎的な機構の把握に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、形成機構の解明にほぼめどをつけることができるデータが得られたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度までのデータをもとに、次年度はさらに詳細なダイヤモンド形成の素過程の解明を行う。また、得られた電解パラメータをもとに、ダイヤモンド源(炭素源)として、二酸化炭素を用いた新規な電解によるダイヤモンド合成へと展開する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度までのデータをもとに、次年度はさらに詳細なダイヤモンド形成の素過程の解明を行う。また、得られた電解パラメータをもとに、ダイヤモンド源(炭素源)として、二酸化炭素を用いた新規な電解によるダイヤモンド合成へと展開する予定であり、これらの実験を遂行するために、高純度溶融塩、高純度基板等の消耗品費が必要となる。素過程解明のために、国外にある高温用分光装置による実験が必要となる。さらに、最終年度であるため、これまでの成果を国際学会で発表するための旅費が必要となる。最終的には、新規な電解ダイヤモンドの形成プロセスの実証を行う。ここでも、るつぼ、ガスバルブ等の消耗品が必要となる。
|
Research Products
(5 results)