2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23550232
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
後藤 琢也 同志社大学, 理工学部, 准教授 (60296754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蜂谷 寛 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90314252)
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Keywords | 電解 / 溶融塩 / ダイヤモンド |
Research Abstract |
本研究では、電解によるダイヤモンド合成とその形成機構の解明を目的とした検討を行った。今年度は、カーバイドに対する溶解度が大きいと考えられる溶融フッ化物を電解浴に用いて、カーバイドイオンの酸化反応: C22- → 2C + 2e-によって、結晶質炭素が得られ、さらにこの得られた試料の顕微ラマン分析から、sp3を持つ炭素が存在することを明らかにした。特に、作用極に金を用い、塩化物浴もしくはフッ化物浴いずれの電解質中においても、2.4 Vより貴な電位で短時間電解することにより非平衡反応場を誘起することで、sp3炭素結晶(ダイヤモンド結晶)の発生頻度が増加することを明らかにした。また、電解を開始から0.05 秒以降に、炭素結晶が生成していることが明らかとなった。更に、電解浴中に不純物として存在する酸化物イオンを効率的に酸素ガスとし排出できる電極を組み合わせることで、炭素析出が効率的に行えることも明らかにした。本現象を解明することで、非平衡場における不均一核生成・成長メカニズムの解明ができ、ひいては、電極表面での形態形成について新たな知見が得られた。また、応用面でも、特異な反応場を利用できるため、従来法のように、高温・高圧を必要としない、新たな材料合成プロセスの創生の反応場として応用展開できることが今後期待できる。また、本研究を通じて、電解条件(特に電解浴と電位)を変化させることで、反応場を平衡→準安定局所平衡→非平衡と系統的に制御できる手法であることを明らかにした。これらのデータは、ダイヤモンド以外の非平衡材料合成プロセスへと発展させるための重要な基礎データの蓄積ができた。
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[Presentation] 溶融フッ化物中での酸素発生挙動2013
Author(s)
後藤琢也, 辻井文哉, 坂中佳秀, 廣田 健、ヴジャヤクマール, 石川毅彦, 高柳昌弘
Organizer
日本マイクログラビティー応用学会 JASMAC-27
Place of Presentation
東京都江東区
Year and Date
20131125-20131127
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