2014 Fiscal Year Annual Research Report
フィブリノゲンクライオゲル形成機構の解明:血液凝固におけるフィブリンゲルとの違い
Project/Area Number |
23550237
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
外山 吉治 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (50240693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 健二 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (40153332)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | フィブリノゲン / クライオゲル / フィブリン / 水晶振動子マイクロバランス / フィブリノゲン分解産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究実施計画は,フィブリノゲンクライオゲル形成における分子間相互作用部位の特定である.昨年度は,相互作用部位の特定に必要なフィブリノゲン分解産物として,フラグメントX,フラグメントDおよびフラグメントNDSXの作製を行った.フラグメントXおよびDについては,測定に必要な純度と量が得られ,濁度測定,水晶振動子マイクロバランス法および表面プラズモン共鳴法を用いた測定を行った.その結果フラグメントXは,クライオゲルを形成しないことが明らかとなった.フラグメントXは,フィブリノゲンをプラスミンで処理してαC鎖を切除したものである.従って,クライオゲル形成には,フィブリノゲンのαC鎖が必須であることが分かった.フラグメントDについては,フラグメントX-フラグメントD間およびフラグメントD-フラグメントD間に相互作用が認められ,クライオゲル形成にD-DあるいはD-E相互作用が関与していることが示唆された. もう一つの分解産物であるフラグメントNDSKについては,測定に十分な純度と量が得られず,本年度への期間延長を申請しNDSKの収量の向上を目指した.作製条件等を再検討し,測定に必要な純度と収量を得ることができた.水晶振動子マイクロバランス法を用いて低温下でのフィブリノゲン重合への添加効果を測定したところ,クライオゲル形成への抑制効果が見られた.しかしながら,フラグメントDの添加効果よりは小さかった.以上の結果より,フィブリノゲンクライオゲル形成における相互作用部位は,αC-αCおよびD-D相互作用が重要な役割をはたしていることが分かった.
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Research Products
(7 results)