2012 Fiscal Year Research-status Report
光反応を用いた高分子傾斜構造の構築とプログラム可能な表面を有する高分子材料の設計
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23550241
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 貴章(QTranCong) 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50188827)
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Keywords | 高分子傾斜材料 |
Research Abstract |
1)光重合系における相分離の光強度依存性:(Adv. Nat. Sci. Nanosci. Nanotech. 2013; Soft Matter, submitted, 2013):光強度を増加させると、相分離構造が大きくなる混合系モルフォロジーがドロップレットからサラミ構造、そして共連続のモルフォロジーへ変わることが判明することができた。また、これらの構造が照射光強度の増加によって、途中で固定化されることがわかった。すなわち、光強度の変化に引き起こされる分子量の変化を利用すると生成された様々なモルフォロジーを固定化することができた。 2)光進行する方向に沿った一方向(Z)の傾斜構造:(Langmuir、投稿準備中)強い光を試料に照射すると、Lambert-Beer 法則により試料のZ方向(光の進行方向)に照射すると、光強度の傾斜により特性長の傾斜を有する高分子ができた。ここで、混合系によって形成された構造の特性長の傾斜が二種あることが判明された。すなわち、正の光強度の傾斜に対して、正の傾斜と負の傾斜を有するモルフォロジーが観測された。正の傾斜とは光強度の増加と共に相構造の特性長が小さくなる傾斜構造であり、また負の傾斜構造の場合はその逆である。この特異的な現象はドロップレット構造、すなわち、核生成・成長の機構に従って相分離が進行した場合のみ見られている。この情報が傾斜構造の設計に重要な知見を与えている。 3)光強度分布(XY平面内)の傾斜構造の構築:Z方向の光強度がほとんど変化せず、XY平面内の光強度傾斜を作るためにコンピュータ支援光照射 (CAI)法を用い、PSA/MMA の混合系を照射すると、試料の深さ方向に均一の構造ができつつ、XY平面内の傾斜構造を作製することを成功した。現在、そのモルフォロジーの解析を行っている。(Soft Matter、投稿中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光強度の正の傾斜(空間傾斜)に応じて、モルフォロジーの特性長は正の傾斜を示す混合系と、負(逆)の傾斜を示す混合系が観測されたので、その機構を解明するために、空間的に均一の光強度の照射を行い、比較実験を行った。そのため、論文のまとめが遅れた。現在、わかっているのは光重合でスピノーダル分解過程を経由して生成された共連続構造の傾斜構造には正の傾斜しか見られないが、核生成・成長機構で形成されたドロップレットの場合、負の傾斜を有するモルフォロジーが観測された。この反転現象を明らかにするためには、今後、比重の大きなモノマーを重合して、検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最後の年度に、比重の異なるモノマーとポリマーの組み合わせを用い、光強度の傾斜と相分離構造の傾斜との相関関係(特性長の正および負の傾斜の発現と、光強度の傾斜との相関関係)を明らかにすると共に、また相分離過程の途中にできたpolymer-rich ドロップレットの沈降がモルフォロジーの傾斜に及ぼす影響について明らかにする。このように。光強度の傾斜を用いる傾斜構造の設計法を確立させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最後の年度であるため、研究補助金を試薬、消耗品、学会発表および学術論文の投稿費用に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)