2013 Fiscal Year Annual Research Report
光反応を用いた高分子傾斜構造の構築とプログラム可能な表面を有する高分子材料の設計
Project/Area Number |
23550241
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 貴章 (QTRAN Cong) 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50188827)
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Keywords | 光重合反応 / 相分離 / 共連続構造 / ドロップレット構造 / 自己促進 |
Research Abstract |
傾斜構造を有する高分子材料を構築するために「コンピュータ支援光照射CAI法と光重合誘起相分離を組合せて、種々の条件下で実験を行った。混合系として、ポリ(エチルアクリレート)誘導体/ポリ(メチルメタクリレート)[PEA/PMMA] 、ポリスチレン誘導体/ポリ(メチルメタクリレート)[PS/PMMA]、ポリ(ブチルメタクリレート)[PBA/PMMA]を用い、実験を行った。重合反応の動力学を in situ 追跡し、重合開始剤にLucirin TPOを用い、405 nm の光照射で重合を起こした。重合の動力学はFT-IR で追跡し、またモルフォロジーの時間発展を共焦点レーザー顕微鏡で追跡した。画像解析は高速 Fourier 変換(FFT)によって行った。得られて結果は下記の通りである。 1)すべての混合系において、一般の傾向を示す:強い光強度で重合を起こして相分離を誘起する場合、混合系がスピノーダル領域に突入し、同一の試料内に共連続構造の周期傾斜が形成させることができた。一方、弱い光照射を用いる場合は、混合系は浅い過冷却度で核生成・成長領域に突入し、直径の傾斜を有するドロップレットのモルフォロジーが得られた。 2)重合反応はある照射時間において自己促進効果(Norrish-Trommsdorff効果)を示し、この急激な重合の速度が最大に達してから、相分離過程も次第に停止することが観測された。 3)一般に構造の傾斜の特徴として、光強度の高い場所では、モルフォロジーの特性長(周期)が小さく、また弱い強度のところでは大きくなることがわかった。例外として、逆の傾斜も観測された。強い強度下で照射した場合、重合の最中に開始剤が諸費される場合や、高分子成分のガラス転移温度が低いため、系内のモビリティーが大きいため、局所の浸透圧が発生し、過冷却度が反転されると考えられる。
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Research Products
(6 results)