2011 Fiscal Year Research-status Report
単層カーボンナノチューブ単結晶の固体構造形成機構の解明と高性能複合体への応用
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23550244
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
内田 哲也 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (90284083)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 結晶化 / ナノフィラー / 複合体 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(SWNT)の固体高次構造形成過程の解明とその制御を目的とし、希薄溶液からの結晶化を行い、いわゆる「単層カーボンナノチューブの単結晶」を作製した。作製に当たっては、申請者がこれまで行ってきた「剛直で折れ曲がることのできない高分子の結晶化」の検討で得られた知見を活かし、長さを短く切断したSWNTを用いて、希薄溶液からゆっくりと結晶化させた。得られたSWNT単結晶の形態、SWNTの凝集状態、結晶欠陥を透過型電子顕微鏡観察等により検討することで、SWNT特有の固体高次構造の特徴を明らかにした。さらに得られたSWNT単結晶を強化材に用いて、新しいタイプの高性能高分子複合体を作製することを目的とし、複合体を作製し、物性の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり、下記の検討を実施した。 a)長さの短いSWNTの作製 b)SWNTの希薄溶液からの結晶化およびその結晶構造解析その結果、SWNT単結晶を作製し、その固体高次構造の特徴を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き前述 b)のSWNTの希薄溶液からの結晶化およびその結晶構造解析を実施する。 さらに c)SWNT単結晶を強化材に用いた複合体の作製と力学的性質および構造評価を実施する。実施目標:1wt%以下の添加で弾性率を5倍にする。スケールアップも視野に入れ、検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
微細なSWNT結晶の構造を直接TEMで観察するために必要な、高分解能用の薄いカーボン支持膜は非常に高額である。それら消耗品などを購入する。また、複合体作製に必要なポリマーや薬品、ガラス器具も購入する。さらに、ナノフィラー作製に適したSWNTを見出し、スケールアップも視野に入れてグラムオーダーでの購入、ナノフィラー化を実施する。
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Research Products
(10 results)