2012 Fiscal Year Research-status Report
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23550249
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
谷尾 宣久 千歳科学技術大学, 総合光科学部, 教授 (50217121)
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Keywords | 光学ポリマー / 屈折率制御 / 屈折率予測 / 屈折率 / アッベ数 / 原子屈折 / 原子分散 / 分子鎖パッキング状態 |
Research Abstract |
光学ポリマーの屈折率制御が重要な技術課題となっている。ポリマーの屈折率は、分子鎖のパッキング状態と化学構造で決定される。我々は、Lorentz-Lorenz式に基づき、ポリマーの繰り返し単位の化学構造のみから屈折率およびその波長依存性(アッベ数)を計算する方法を提案している。本研究では、屈折率を計算する際に基盤となる“原子屈折、原子分散値”および“ポリマー固体中での分子鎖パッキング状態”を決定、解明することにより、提案している屈折率予測法を、様々な化学構造、結合様式をもつ光学ポリマーに対応できるように発展させることを目的としている。 光学ポリマーの屈折率予測に必要な原子屈折および原子分散値を精密屈折率測定から決定する。また、種々の結合様式、分子鎖凝集状態を持つポリマー固体の分子鎖パッキング状態を精密密度測定より解明する。そして、決定した原子屈折、原子分散値およびパッキング係数を用いてポリマーの屈折率を繰り返し単位の化学構造から計算し、実測値との比較を行い、屈折率予測法の適用性を検証するとともに、予測精度の向上を図ることが全体の研究計画である。。 これまでにフッ素、窒素、ベンゼン環およびケイ素の原子屈折及び原子分散を実験的に明らかにしたが、平成24年度はさらにデータの蓄積に努め、値の信憑性を高めた。そして、解明した原子屈折値を用いて計算したフッ素ポリマー、ポリアミド、および芳香族ポリマーの屈折率とアッベ数は実測値とよく合うことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験的に解明したフッ素、窒素、およびベンゼン環の原子屈折及び原子分散値を用いて計算したフッ素ポリマー、ポリアミド、および芳香族ポリマーの屈折率とアッベ数は実測値とよく合うことを確認し、解明した値の信憑性が確かめられた。ケイ素についての検証を今後の課題としている。
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Strategy for Future Research Activity |
解明したケイ素の原子屈折、原子分散値を用いてケイ素ポリマーの屈折率を繰り返し単位の化学構造から計算し、実測値との比較を行い、解明した値の信憑性を確認する。また、非晶性ポリマー以外の種々の分子鎖凝集状態のポリマーの分子鎖パッキング状態を明らかにする。 本研究で決定、解明した原子屈折、原子分散値および分子鎖パッキング係数値を計算システムに組み込み、様々な化学構造、結合様式をもつ光学ポリマーの屈折率が予測可能な予測システムに発展させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
測定用試料の準備、作製に必要な消耗品を補填しながら、屈折率の精密測定を行い、データを蓄積する。また、決定した値を基に光学ポリマーの屈折率予測システムをパソコンシステムとして作成する。得られた知見を内外に公開する。以上のために研究費を使用する。
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Research Products
(12 results)