2012 Fiscal Year Research-status Report
導電性プラスチックと視覚機能タンパク質を用いたフレキシブル動画センサーの開発
Project/Area Number |
23560004
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡田 佳子 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (50231212)
|
Keywords | bacteriorhodopsin / sensor |
Research Abstract |
本研究は,安価な水溶性ポリマーを用いた導電性プラスチックと, 生物由来の視覚機能タンパク質を組み合わせた「柔らかい微分応答光センサー」を開発し,これを動画検出センサーとしてロボットビジョンやマシン操作に適用することを目標としている.本年度は,ガラス基板をPET膜に置き換えてより安価で柔軟なデバイスの実現をめざす予定だったが,平成25年度の計画を前倒しして,バクテリオロドプシンと電解質溶液を導電性ガラスITOではさんだサンドイッチ型セルを,厚み方向に積層して出力の増大を図った.両面ITOガラスにディップコーティング法によってバクテリオロドプシンを両面に塗布する方法は,セルの積層化を容易にするからである.これを互い違いに重ねて直列接続した積層型センサー,および最終端面にアルミ蒸着したアルミ付き積層センサーを作製し,時間応答特性を検討した.その結果積層型では6層で,アルミ付きでは3層で目標値2マイクロAの出力が得られた.これによりLED光源を用いてマイクロマウスロボットの制御が可能となった. 一方,前後のITO上に,縦長横長の長方形にバクテリオロドプシンをそれぞれパターニングし,受光部をL字型に配置したセンサーを作製した.光の軌跡が通過するセルの光応答は通過した場所と時間順に引き起こされるため,L字パターンによって動きの検出ができる.動画検出の原理確認を行ったところ,上下,下上,左右,右左という光の軌跡を4つの異なるプロファイルとしてとらえることができた.受光部をパターニングした1画素のセンサーによって光の走査方向と速度が測定できることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた「積層による出力増強」に初年度から着手したため,そのまま本年度も継続,推進した.本年度購入した両面ITOガラスには,ディップコーティング法を用いるとによってバクテリオロドプシンを一度に両面に塗布でき,セルの積層化を容易にするだけでなく,コンパクト化にも役立つ.これを互い違いに重ねて直列接続するだけでなく,最終端面にアルミを蒸着するなど,透過光の利用を工夫をした結果,マイクロマウスロボットの制御に必要な目標値2マイクロAの出力が十分得られた. また,1画素センサー受光部のパターニングという非常に単純な方法で,上下,下上,左右,右左という4つの光走査方向と速度が同時測定できることを確認した. 以上の結果から,本年度はおおむね順調に進展したと考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は,逆になったが平成24年度計画である「柔らかい・大面積センサー」の作製を推進する.現在成功しているITOガラス基板を導電性ポリマーに置き換える.コーティングがしやすい,エッチングが容易なことからベラゾールTM(綜研化学(株)製)を採用する.積層化による出力増強と同時に,エッチングによる様々なパターン形状を設計し,さらに複雑な光走査条項と速度を測定する1画素光センサーを作製する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
パソコン購入費の一部として使用する.
|
Research Products
(10 results)