2011 Fiscal Year Annual Research Report
固体触媒反応で生成させた高温水分子ビームを用いた金属酸化物薄膜の作製
Project/Area Number |
23560005
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
西山 洋 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (50303186)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ZnO / 触媒反応 / 高温水蒸気 |
Research Abstract |
高い品質のZnO薄膜を低い基版温度で成膜することはCEW-CVD法を用いて、ガラス基板上への透明伝導膜を成膜する上で、極めて重要な技術となる。低基板温度プロセスにおいても高い電気特性を有するZnO薄膜を成膜するためには、より良質な水蒸気を噴出することが可能なノズルの開発が必要である。ノズルから噴出する水蒸気の拡散を抑制し、基板に入射する水蒸気量を増加させ、噴出する水蒸気の速度を増加させることにより、基板表面のガス密度(水蒸気圧力)を増加させることが有効と考え、CEW-CVD法用ラバーノズルを開発した。ラバールノズルを取り付けたCEW-CVD装置で成膜した、ZnO薄膜のキャリア移動度基板温度依存性を示す。673Kの基板温度で成膜したZnO薄膜は147cm^2Nsという高いキャリア移動度を示し、キャリア密度もキャリア密度7.95×10^<16>cm^<-3>と極めて低い値となった。さらに基板温度を低下させても、キャリア移動度の悪化に緩やかであり、523Kの基板温度でも、キャリア移動度が112cm^2s^<-1>V^<-1>と高い値を維持した。成膜する基板温度が低下しても、ZnO(0002)のωロッキングカーブの半値幅が広くならず、ZnO薄膜の結晶性の悪化が暖やかであることが明らかになった。523Kで新規開発したラバールノズルを用い、成膜したZnO薄膜表面では、従来のノズルを用いて成膜したZnO薄膜表面よりも大きな結晶が膜表面に存在しており、X線回折測定結果とよく一致した。これは、開発したラバールノズルから、質の高い水蒸気を噴出すことが可能となり、低い基板温度においても、結晶の成長を促進させることが可能となったためであると考えられる。以上の結果より、高い品質のZnO薄膜を作製可能な新規CVD手法であるCEW-CVD装置の開発に成功した。
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