2013 Fiscal Year Annual Research Report
異方性を持つIII-V窒化物半導体の複素誘電率を絶対測定する真空紫外エリプソの改良
Project/Area Number |
23560006
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
福井 一俊 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80156752)
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Keywords | エリプソメータ / 真空紫外光 / 放射光 / III-V窒化物半導体 |
Research Abstract |
旧計測研(現産総研)によって試作されたユニークな可視-真空紫外(VIS-VUV)対応エリプソメータ(エリプソ)を分子研の放射光施設UVSORの3m直入射型分光ビームラインBL7Bとドッキングさせ、VIS-VUV領域で連続して複素誘電率を測定可能とし、通常のVIS領域エリプソでは測れないワイドバンドギャップ半導体であるIII-V窒化物半導体のバンド端近傍及びそれ以上のエネルギー領域での複素誘電率を絶対測定することを目的としている。 そのため、このエリプソ試作機をそのままの状態でBL7Bと接続し、問題点を洗い出すことを本申請採択以前から行ってきた。初年度は大きく二つある問題点のうち一方を解決したが、もう一方が解決できず計画の進捗の遅れとして次年度にずれ込んでいた。二年目はその残る問題点であった真空可動部品等の「がた」の解決をはかり、ほぼ達成した。また、本課題採択後にわかった測定の高速化の必要性に関しては、短期的には回転速度の高速化で、長期的には測定方法の変更で実現できることを、前者は実験で後者は理論的に確認出来た。 そこで、最終年度はパラレルリンク機構を採用したエリプソメータの架台の製作を行った。これは本課題の中心的ミッションで、エリプソメータを光軸合わせるための5軸制御メカである。既存の装置の問題点を設計に反映させた後製作する必要があったため最終年度にずれ込むこととなった。しかし、設計自身は初年度から行っていたため、機械工作・制御系は問題なく進行しすでに完成している。現在、制御のためのソフト製作とエリプソメータ本体の旧架台からの移動を行っている。ただ、ビームラインでの接続および最終目標である測定に関しては、最終年度のBL7Bのマシンタイムに間に合わなかったため、次年度にこの実験のために承認して頂いているマシンタイムにずれ込むこととなった。
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Research Products
(2 results)