2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560030
|
Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 健二 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50249778)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 表面・界面 / 表面電子状態 / 準安定ヘリウム原子 / オージェ脱励起 / 電荷交換室 |
Research Abstract |
準安定ヘリウム原子が固体表面で脱励起する現象を利用して、固体表面最外層の電子状態を捉えることができる。しかし表面-原子間で生じる電子放出プロセスは複雑で解釈が難しい。もし入射速度を変えた準安定ヘリウム原子源があれば、表面-原子間の電子移行プロセスについて時間依存性の立場から明らかになり、表面電子状態を直接抽出できる。本研究はこの速度可変型準安定ヘリウム原子源を開発し、表面電子状態抽出を行なうことを目的とする。入射速度の大きな準安定ヘリウム原子は、アルカリ金属蒸気を利用したヘリウムイオンの電荷交換で実現できる。 平成23年度は速度可変型準安定原子源の開発と電子エネルギーアナライザーの改良を行なった。設備としてはターボ分子ポンプを増設し、真空排気環境を向上させた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電荷交換室の設計に着手し、製作構想がまとまった。アルカリ金属蒸気生成の加熱機構や冷却による再利用の条件を満たすためには、当初予定の研究費を超えることになったため次年度予算を合わせて製作することとした。そのため電荷交換室の製作は次年度に行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヘリウムガスをイオン化室で放電させ、ヘリウムイオンを生成する。その後、減速レンズを通して減速する。このヘリウムイオンを電荷交換室に通す。アルカリ金属は比較的扱いが容易なリチウムを利用する。ヘリウムイオン源は既に製作を終えているので、減速レンズと電荷交換室を設計・製作すればよい。このため本研究は計画通りに進むものと考えてよい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
速度可変型準安定原子源の開発のうち、特に電荷交換室の製作に研究費を利用する計画である。ステンレスを基本材料として、ヒータ加熱によってアルカリ蒸気をつくり、そこにヘリウムイオンを通過させて電荷交換を行う。
|
Research Products
(2 results)