2013 Fiscal Year Annual Research Report
光検出走査型トンネル顕微鏡によるナノアンテナの解析
Project/Area Number |
23560032
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
櫻井 亮 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (60280731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 可為 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (60573756)
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Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / アンテナ / プラズモン / 酸化物 |
Research Abstract |
ナノスケールのアンテナ(ナノアンテナ)の機能を詳細に調べて、微小センサーや光検出デバイスなどに有効である受信・送信能力を持つナノアンテナを試作することを目的としている。評価手法として光検出走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いた。トンネル電子の入射によって励起した電子状態が、ナノアンテナに表面プラズモンを誘起して、励起状態の放射減衰過程で光を放出する。ナノアンテナと局所光源との間で起こる光やエネルギーのやり取りを光源位置での電子励起による光生成と遠隔場域での光計測を通して調べた。高い空間分解能で光生成過程を調べることが可能な手法である。試料の位置関係を知るためには、原子間力顕微鏡(AFM)の方が適用範囲が広いので、電子入射の際にのみ走査型トンネル顕微鏡の機能を用いた。ナノアンテナの高機能化を目指し、金属ナノワイヤだけでなく、酸化物ナノワイヤをもナノアンテナ材料として採用した。予備的な実験として、ワイドバンドギャップの酸化物ワイヤを作製して、基礎特性を確認した。電気炉を用いた気相性長法においてナノワイヤの成長条件(ガス圧、基板温度、基板の配置)を最適化して結晶性の良い単結晶ワイヤやコアシェルワイヤを作成した。酸化すずワイヤは、機械応力や電圧印加によって抵抗を可逆的かつ不揮発的に調整可能であることを見出した。光検出STMを用いて酸化物ワイヤや金ワイヤで構成したナノアンテナの発光特性を計測した。酸化物ワイヤを構成する物質の光学特性をナノスケールの分解能で測定することが可能となった。幾何的な配置に起因した直線偏光・円偏光の生成メカニズムを解明した。金ワイヤのアンテナでは、表面プラズモンがワイヤに沿って伝播することに起因する発光を観測した。
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Research Products
(6 results)