2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560033
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山下 良之 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (00302638)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 光電子分光 / ゲートスタック構造 / 抵抗変化メモリ / 界面準位 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、多種多様なデバイスが開発され実用化に向けて研究がなされている。デバイスの物性解明には電子状態の測定が必要不可欠である。しかしながら電子状態測定は無バイアス下で行われており、デバイスの物性を詳細に理解するにはデバイス動作下での電子状態測定が必要不可欠である。本研究では申請者のグループが開発したバイアス電圧印加硬X線光電子分光法を用いてデバイス動作下での電子状態の直接観測を行った。この手法は作製した素子をそのままの状態でかつバイアス電圧印加状態で電子測定が可能な手法である。本手法を用いて当該研究機関中、種々の有益な成果を得た。極薄シリコン酸化膜/シリコン界面に窒素を導入した際の界面準位を測定し、窒素の導入によりミッドギャップ準位の増加、価電子帯、伝導帯近傍に新な準位を形成することがわかった。極薄酸化膜の界面準位はトンネル電流が流れるため、電気的測定では計測ができないが、本手法を適用することにより明らかになった成果である。また、酸化物抵抗変化メモリのメカニズム解明にも成功した。表面電極をプラス電圧に印加すると酸素が表面電極に拡散し、PtOを形成することが分かった。一方、表面電極にマイナス電圧を印加するとHfが表面電極に拡散しHfPtを形成している事が分かった。本成果は新規デバイスの作成指針を与える成果である。電気的特性では測定が極めて困難なゲートスタック構造の各層のバイアス電圧に依存したポテンシャル分布の直接観測に成功した。ゲート金属をRuにした際、スタック構造は理想的な動作をすることがわかった。一方、金属をPtにした際、Pt/HfO2界面にてポテンシャルドロップが生じた。詳細な解析を行ったところPt/HfO2界面に酸化物が形成し、ポテンシャルドロップを引き起こす事がわかった。
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Research Products
(13 results)