2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウォークオフ補償周期構造を持つ高効率深紫外波長変換デバイスの開発
Project/Area Number |
23560042
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
庄司 一郎 中央大学, 理工学部, 教授 (90272385)
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Keywords | 紫外レーザ / 波長変換 / ウォークオフ / 常温接合 / BBO |
Research Abstract |
本研究はBBO結晶の新しいウォークオフ補償構造を常温接合を用いて作製し,高効率・高出力の深紫外光を発生することを目的として行った. 初年度に,厚さ1mmのプレート4個と,両端に厚さ0.5mmのプレートを貼り合わせた全長5mmのデバイスを作製し,同じ長さのバルクBBO結晶の約1.8倍となる2.2mWの紫外光出力を得た.これにより,新規ウォークオフ構造とその作製手法の有用性を実証することができた. 2年目には,厚さ0.4mmのプレート12個と両端に厚さ0.2mmのプレートを貼り合わせた全長約5mmの補償構造を作製し,さらなる効率の向上を目指した.長さ6.5mmのBBOバルク結晶を複数個用意し,位相製合角を±0.1度以下で測定したうえで,厚さ0.4mmと0.2mmのプレートを複数切り出した.それらを結晶c軸の向きが交互に反転するよう,常温接合を用いて貼り合わせた.その際,常温接合装置を真空に保ったまま多数のプレートを連続的に供給できるシステムを開発し,プロセスの大幅な効率化を実現した. 波長532nmの連続発振緑色レーザを基本波光源とした第2高調波発生により深紫外光を発生した結果,ビーム形状は初年度に作製したデバイスに比べさらに円形に近づき,ウォークオフ補償効果が改善していることを確認できた.しかし,紫外光への変換効率はバルク結晶を下回った.この原因は,個々のプレートが薄くなったことにより,高い角度精度での切り出しが難しくなり,位相整合角からのずれが大きくなったためと考えている. そこで,最終年度では結晶加工業者と連携し,加工精度の向上を図った.その結果,厚さ0.2 mm のプレートでも±0.1度以下の精度を実現するとともに,切り出せる枚数も倍増することに成功した.これにより,バルク結晶より1桁程度大きい変換効率を実現するデバイスを,効率的に作製できると考えている.
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Research Products
(17 results)