2013 Fiscal Year Annual Research Report
省資源加工に貢献する高効率・高精細加工が可能な位相結合ファイバレーザーの高効率化
Project/Area Number |
23560044
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉田 実 近畿大学, 理工学部, 教授 (50388493)
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Keywords | ファイバ / レーザー / ファイバレーザー / 位相結合 / 高出力化 / レーザー加工 |
Research Abstract |
複数のファイバ型光増幅媒質を、単一の共振器内において同一の位相で発振させて一体化する位相結合を高度化して、ファイバレーザーの高出力化を進める研究を行った。 位相結合により結合するファイバ型増幅媒質の数を増やせば、高出力化が可能であることは自明であるが、光は波の性質を持っているため、複数のファイバにより得られた出力を、例えば水道のホースを束ねてその吐出量を増やす様な、単純な加算は行えない。一方、波の波面を精密に制御すれば、複数のレーザー出力を単一化し高出力なレーザービームを得ることはは可能であるが、これを実現するためには、完全に同一の周波数を持った光が持つ波の位相を、さらに完全に一致させなければならず、極めて精密な制御を要求される。 そのため、本研究では、ファイバ型のレーザー共振器を構成する二枚の反射鏡のうち、出力側の反射鏡を、共通な単一の半透過鏡(反射率約4%、透過率約96%)とし、増幅媒質の反対端に全反射に近い反射率の反射鏡を取り付けることにより、全ての増幅媒質が発生する光の波が、レーザーが持つ非線形によって最も出力が得られる様に波の位相が自発的に一致して発振するようなレーザーの構成を開発した。 今回、最大で16の増幅媒質を位相結合により一体化することを目的として研究を進めた。その過程において、以下のことが明らかになった。位相結合される増幅媒質の数が4以下の場合は自動的に安定な位相結合を得られるが、増幅媒質の数が4を超すと、位相結合に必要となる光の縦モード周波数の一致が困難となり、時間的に不安定な、出力、波長、偏波状態のフリップが発生する。ここで述べた縦モードは、ファイバの長さにより決定づけられるため、約30mの長さを持つ16のファイバ型増幅媒質を、測定限界である10um以下の精度で一致させることによって、最終的に16の媒質を効率90%以上で一体化することに成功した。
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Research Products
(11 results)