2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560048
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
稲場 肇 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (70356492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 一元 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50462859)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 光周波数コム / 光コム / 高安定光共振器 / 低分散 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高安定光共振器(以下、共振器)を用いて狭線幅化された連続発振レーザーの線幅を、広帯域光周波数コム(以下、光コム)を介して別な波長に転送すること、および、連続発振レーザーを使用しないなど系を単純化することにより性能と信頼性の両方を向上させるべく、直接光コムを共振器に安定化して狭線幅化することである。今年度は、まず光コムを直接安定化するための共振器を調達した。本研究の趣旨から、共振器として光コムの広帯域性に対応するために低分散・高フィネス仕様(分散値5 fs2以下@波長1550 nm、フィネスは250000以上@波長1550 nm)とした。また、できるだけ短時間で成果を出すため、ヒーターのみの温調ができるように膨張率の零点温度は25~33℃保証→実際には32.4℃とし、既存の真空チャンバーに収まるサイズ(共振器長78.186 mmなど)とした。次に、共振器に安定化するための高速制御型光コムを製作した。光コムの高速制御のための電気光学変調器(EOM)として、モード同期のかかりやすさ、およびジャイアントパルスなどによる破損に強い信頼性を重視してバルク型を採用した。光コムの繰り返し周波数は約46 MHzを中心にディレイラインにより200 kHz程度可変できる仕様とし、共振器の縦モード間隔(約2 GHz)の整数分の一に調整できるようにした。製作した光コムについては、光増幅器の作成、およびキャリア・エンベロープ・オフセットビートの観察を行い、80 dB/HzRBW程度のS/N、および10-30 kHzの線幅など、良好な特性を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標としていた、高安定光共振器の調達を行った上、24年度の目標であった光周波数コムの製作がかなりの部分達成できたため
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Strategy for Future Research Activity |
高安定光共振器の真空チャンバーへの設置、真空引き、および温調を行い、同時に光周波数コムのビームを共振器に結合させる。可能であれば安定化まで行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高安定光共振器の調達において当初予定していた額より節約できたため、次年度は元より予定していた安定化のための電気光学変調器、真空関連装置の不足分を研究費で調達する他に、次年度使用額を利用して光コムの増幅装置用パーツ等を調達する予定である。
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