2011 Fiscal Year Research-status Report
3波共鳴型差動複合共振器制御による高効率CW光パラメトリック発振器の開発
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23560051
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
笠井 克幸 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所ナノICT研究室, 主任研究員 (90359084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 贇 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00508830)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 量子エレクトロニクス / レーザー / 光パラメトリック発振器 / 量子相関 |
Research Abstract |
光パラメトリック発振器はチューナブルなコヒーレント光源としてパルス発振の領域では実用化されているが、連続波(CW)発振の領域では未だに研究段階にある。本研究では、これまでのCW光パラメトリック発振器が抱えていた問題点を克服する新たな共振器構造と高効率の疑似位相整合結晶を組み合わせて、これまで困難であったチューナブルな高効率で低発振しきい値のCW光パラメトリック発振器を実現することを目的としている。さらに応用として、チューナブルな量子相関の生成を狙っている。本年度は本研究の初年度であり、疑似位相整合結晶のPPKTPを用いて単一共振器型で3波共鳴の光パラメトリック発振器を構成して、発振の動作特性を測定した。ポンプ光光源には半導体レーザー励起Nd:YAGレーザーの第2高調波(532nm)を用い、発振出力波長の測定には分光器を用いた。ポンプ光入力100mWで発振を開始し、結晶温度34.3℃にて波長1064nm近傍のシグナル光とアイドラ光が得られた。結晶温度を上げていくと発振波長が変化し、55℃にて波長1005nmのシグナル光と波長1130nmのアイドラ光が得られた。結晶温度を55℃以上に上げると発振は停止した。この原因を調べた結果、使用していた共振器ミラーの反射率が波長1100nm以上の長波長側で低下しているためであることが分かった。この実験結果から、非縮退光パラメトリック発振時のシグナル光とアイドラ光モードに対する共振器パラメータを設計する上で意義のある重要なデータを得ることができ、複合共振器の設計を行った。また、CWで光パラメトリック発振を得るために、共振器安定化回路の設計と試作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初に設計した共振器ミラーでは、シグナル光とアイドラ光の波長が十分に離れた非縮退発振とならなかった。このため、共振器内のダイクロイックミラーでシグナル光モードとアイドラ光モードを分離することが困難となり、複合共振器型での発振に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験結果から、複合共振器を構築する上での共振器パラメータの設計の問題点が明らかになった。光学系の再設計を行い最適な共振器ミラー等を用いることにより、複合共振器型での光パラメトリック発振は十分に可能である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度末に研究分担者と研究打合せを行う予定であったが、両者の日程の都合がつかずに延期となった。そのための旅費を繰り越し、次年度の研究打ち合わせに使用する計画である。
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Research Products
(4 results)