2013 Fiscal Year Annual Research Report
3次元フォノニック結晶を利用した高性能くさび型音響導波路の設計
Project/Area Number |
23560052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 之博 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00281791)
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Keywords | フォノニック結晶 / 導波路モード / くさび / バンド構造 |
Research Abstract |
本年度は、3次元フォノニック結晶が実際に人工オパールであることを想定し、粘性をもつ液体(水やグリセリンを想定)中に並べられたシリカ球に対するバンド計算を実施した。粘性は、近似的に弾性定数を複素数に拡張することで取り込むことができる。この際、その虚数部分は周波数に比例すると仮定する(粘性抵抗力のはたらく流体モデル)。使用した方法は、平面波展開法であり、弾性定数が周波数に依存するために、得られた固有値方程式は、周波数について二次の非線形方程式となる。得られた結果は、粘性率が比較的小さい場合、バンド構造中にバンドギャップが出現したが、粘性率を大きくするに従って、バンド構造中に不安定なバンドが出現し、周波数ゼロ近傍に多くのバンドが現れた。また、方程式を解くことによって得られた周波数は、複素数となるが、その虚数部分は、弾性波の減衰率を表す。結果として得られた減衰率は、周波数が大きいほど大きな値をとり、この系を伝播する弾性波は、時間とともに急激に消失してしまうことがわかる。この結果は、導波路の基板となるフォノニック結晶を比較的粘性の大きい液体(グリセリン等)を用いて作製した場合、導波路から漏れ出した弾性波はすぐに減衰してしまうので,高性能な導波路の作製には適さないことがわかる。水のような粘性の小さな液体に関しては、依然としてバンドギャップが存在するので、その周波数帯からなる導波路中の弾性波は、たとえ漏れ出たとしても、基板であるフォノニック結晶に形成したバンドギャップにより減衰が抑えられることになる。これは、高性能な導波路の形成を意味する。
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Research Products
(1 results)