2013 Fiscal Year Annual Research Report
微小液滴マイクロリアクタのための音響流メカニズム解明
Project/Area Number |
23560054
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
近藤 淳 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10293606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横嶋 哲 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80432194)
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Keywords | 弾性表面波 / 液滴搬送 / 音響流 / 搬送メカニズム / 放射圧 |
Research Abstract |
平成25年度は「なぜ弾性表面波により搬送できるのか,液滴の境界が液滴内の音響流にどのように影響するのか,固液界面の接触角によりレイリー角は影響を受けるのか,液滴表面にはファラデー流れのような水面で見られる流れが生じるのか,さらにはSAW の振幅にこれらは依存するか」の解明を目的に検討を行った.SAWが固液界面に入射することにより,レイリー角方向に縦波を放射する.液滴の接触角が90度以上(撥水性)の場合,レイリー角はSAW速度と縦波音速から求められる22度に近い.また,液滴搬送が生じない入力条件においては接触角の変化は生じないため,レイリー角は変化しない.しかし,液滴搬送が生じる入力要件では,接触角の初期状態が90度以上であっても,一度,液滴中に縦波が放射されると,液滴形状が変化し,SAW伝搬方向に液滴は伸びる.このため,液滴の接触角は小さくなる.その結果,レイリー角も変化する.変化したレイリー角方向に放射圧が働き,液滴前方界面が押されるため,液滴はSAW伝搬方向に搬送される. SAWによる霧化現象では,液滴表面にキャピラリー波が生じ,その波頭から微小液滴が発生する現象は観測されている.しかし,静止状態の液滴表面にはファラデー流れのような流れを観察することはできなかった.しかし,液滴がSAW伝搬方向に伸張されたとき,液滴表面が盛り上がり,それが前方に移動する現象は見いだされた.しかし,それはファラデー流れではないと現在のところ考えている.また,SAWの振幅を大きくすると,液滴伸張時に,液滴から「角」のような水柱が発生することが観察された.振幅をさらに大きくすると,水柱の先端がちぎれて液滴が飛翔する.しかし,液粒が発生しない場合,水柱はSAW伝搬方向に倒れることが分かった.
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Research Products
(7 results)