2014 Fiscal Year Annual Research Report
指向性比例計数管とデジタル波形処理による加速器中性子源のスペクトル評価
Project/Area Number |
23560055
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宮丸 広幸 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80243187)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 比例計数管 / 中性子 / エネルギースペクトル / 放射線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
PRガスを用いた比例計数管の内部にホウ素を含有した板を複数枚配置して管内の領域を分割し、その領域ごとの中性子とホウ素反応によって生じるα線の収量を位置検出器として測定することで、中性子エネルギースペクトルを推定する検出器の開発を行った。測定原理としては測定対象となる中性子束をビーム状にコリメートし、比例計数管の軸方向から入射させ、複数枚の厚みのホウ素板を透過させることで、中性子が順次吸収され、管の前方と後方でのホウ素との反応によるα線収量に変化が出るように設計し、この収量差と位置情報をスペクトル型ベイズ推定法を用いて広範囲の中性子エネルギースペクトルを推定する。これまでは板の枚数を13枚で設計していたが、中性子束の減衰効果が少なく10keV以上のスペクトルの評価が困難であった。このためPHITSシミュレーションに基づく応答関数の計算から板の枚数を21枚にすると共に、ホウ素の濃度差を最後方から2枚だけ増やすことを行った。これにより、検出可能なエネルギー領域が0.1eVから1MeVにおける17群の幅とすることができた。また実機の検出器の製作も完了し、中性子応答を模擬したα線やガンマ線による応答信号を測定できた。波高信号解析については、比例計数管の出力パルスを1.5GHz サンプリングの高速デジタイザで取得し、FPGAにより信号取得し、立ち上がりの波高値の解析ができるようプログラムを開発した。熱外を中心とした中性子束の実測定については、対応できる原子炉等が安全審査等の理由から全国的に停止中であり、実施できなかった。 本研究では熱外を中心とした中性子エネルギースペクトル測定に対して、1/v法則とシミュレーション計算を生かしたアクティブな応答関数を有した検出器の有効性が示された。
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